最近、米国国債や日本国債の利回り上昇に対して、「急上昇」というコメントをよく聞くようになりました。確かに米国10年国債利回りは昨年12月の水準2%から現在3.45%まで上昇しましたし、日本10年国債利回りの1.45%という水準は投資するのに悪くない水準ではあります。
 しかし、それほど上昇したはずの米国国債も、日本国債も、人気がありません。買いたい、投資したい気になりません。それは米国国債や日本国債の破綻を恐れた信用リスクを懸念した結果でしょうか。私は違うと思います。ただ単純に米国国債の利回りも、日本国債の利回りも、相対的に低い水準で妙味がないからです。何故なら、他にもっと魅力的な投資対象が見つかったからです。
 米国ではリーマンショック以降、特に格付けに対する不信が高じて、高格付け社債まで売られ、国債に投資資金が逃げ込みました。だいたい国債と高格付け社債の利回り差は通常1〜2%程度だったものが5%、6%も、銘柄によってはそれ以上開きが出るぐらい、国債利回りは低下、高格付社債利回りは急上昇しました。
 それが4月に入ってからは国債利回り上昇、高格付け社債利回りの上げ止まりから低下傾向に転じてきました。
 米国国債の3%よりも、高格付け社債の8%の方が割安と見る人が増えたのでしょう。信用リスクとリターンを天秤にかけて、相対的に割安な高格付け社債に投資する動きです。これはこれまで金融の目詰まりを起こして投資に慎重だった資金が、「リターンに見合ったリスクなら取ってみよう」という動きに変わった表れではないでしょうか。
 国内でもそうです。日本10年国債の1.45%は過去の水準で見れば悪くない水準です。しかし、売れない。個人向け国債の低調さは仕方ありませんね。なにしろ、高格付けの個人向け社債であれば、もっと期間が短くても1%後半から3%程度の利回りが期待できる世の中になったのですから。
 今回注目された期間2年 格付けBBB(トリプルビー) ソフトバンク社債 利率5%程度の発行額が予定の500億円から600億円になったという報道がありました。
「多少信用リスクを取っても、発行体を選び、利回り水準によっては社債に投資してみよう」という動きが、すでに出始めています。
 したがって国債利回りが上昇しているのではなく、高格付社債に資金が向かっている現実に、下げすぎた国債利回りが現在あるべき妥当水準を探っている段階だと思います。どこまでも、国債利回りが上昇していくわけではないと考えます。
米国10年国債利回りで言えば、4%台の利回りまで上昇を期待して待っている人が多いのではないでしょうか。日本国債で言えば2%ですね。個人的にはそこまでの上昇は難しいと想定していて、その金利水準以上を高格付け米ドル建て社債や個人向け社債に期待しているところです。
 「国債利回りが上昇して、為替水準は現在も円高水準」と考える投資家であれば、外国債券型投資信託に新規投資を検討する機会とも言えるでしょう。