本日、日経新聞では「社債発行、11年ぶり高水準 信用不安後退で機関投資家の社債購入意欲が回復」という記事がありました。信用不安の高まりにより、本来個人向けの社債発行に積極的ではなかった企業が個人の資金を当てにせざるを得ず、キャンペーンの定期預金金利を大幅に上回る条件で社債を個人が選択できるようになりました。
 しかし記事にあるように、金融危機が収まってきて、機関投資家が社債投資を再開し銀行借り入れが一部にスムーズになってきたら、個人向けに社債を発行しようとする企業のニーズがしぼんでくるのは必至で、これからは良い条件で社債が発行される機会はどんどん減ってくるのではという見方があります。
 私は、そうなるのはまだまだ先で、おそらく来春までは個人向けの社債発行ニーズは続き、個人にとっては円建ての確定利回り商品として魅力的な選択であると考えます。
なぜなら、今回の金融危機で資金調達を考える立場の人であれば、「今はムードで回復したけど、半年後、1年後はどうなっているかわからない」という不安が消えるものではなく、取り敢えず長めの資金を確保しておこうとするニーズが根強く存在すると考えるからです。
 そして現在社債発行が自由にできるようになったのは、メガバンクや一部ピカピカの優良企業であって、本当に銀行借り入れに頼らず社債で直接資金調達をしたいと願う格付けA以下の企業の社債発行はこれから出てきます。
 今回の金融危機が異常だったのは、一部ピカピカの企業まで社債発行の道が閉ざされてしまったことです。一部ピカピカ企業だけの社債発行でとどまる限り、金融危機の本質は変わりません。
 と同時に、現在の株高も同様に見ています。「実態・背景を伴わずムードだけであげてきた相場だから長続きはしない」という見方がありますが、私は「実態・背景を伴わずムードで下げてきた相場」がこれまであって、その反動で戻ってきた相場だと考えています。したがって、戻りのめどに理由を求めても仕方が無く、振り返って「あそこが天井だったのか」と確認するしかないと考えます。
 3月の日経平均株価7021円が底、今度つける天井が目先の天井。次の下落相場と上昇相場でその底や天井を抜けるには実態・背景が伴なった理屈がそのときは必要だと思います。再び下落相場と転換した場合はしばらく、この上下にチャレンジするレンジ相場が続くのではないでしょうか。
 そう考えると、値上がり利益をねらう投資家にとっては現在の相場は楽しみですよね。目先の天井はいくらになるのか、いつまで続くのか、誰にもわからないわけですから。「やっぱり1万円が壁だったかあ?」、「えっ、1万円抜けて11000円の大台に乗りそうだぞ」、「やっぱり11000円が壁だったかあ?」、「えっ、11000円を抜けてきたぞ。やっぱり12000円までは真空地帯だったかあ。まさか14000円までは戻らないよなあ??」というように・・・。
 同様なことは、為替の円安、商品相場にも当てはまりますね。現在の上昇相場は、急落・暴落相場の反動であり、「つぶれそうだ」が「つぶれないかも」という過度の不安心理の後退によるもので、景気の先行きの明るさを映したものではないと私は受け止めています。