私は、常々「トヨタはなぜ証券会社を系列に持つ必要があるのか」と疑問に思っていました。トヨタの車を持つ富裕層向けに、家も売るし、お金回りの相談も行う。トヨタが丸っぽ、顧客の世話をするという考え方に違和感を持っていました。したがって、トヨタとホンダを比べて、ホンダの方が本業を大事にする企業として好意を持っていました。
 今回トヨタがグループの証券事業である、トヨタファイナンシャルサービス証券(トヨタFS証券)を東海東京フィナンシャル・ホールディングスに譲渡し、東海東京証券と合併する決断をしたのは正しい判断だったと思います。
 おそらく、トヨタは既存の証券会社に信頼を置いていなくて、大事な顧客を守るために、自分たちで顧客本位の証券会社をあつらえようと考えたのでしょうが、実際はどうだったのでしょうか。
トヨタFS証券が取り扱う投資信託が、トヨタグループの株式を主体に投資する仕組みが目立ったことで、「トヨタグループに偏重し過ぎている」という見方がありました。
私も、トヨタFS証券は顧客よりも、トヨタグループに目が向いている証券会社だと思っていました。
トヨタのように影響力のある企業が、そんなふうに顧客から勘ぐられてしまうような形態をこれまで残してきたことは明らかにマイナスであり、それを見逃してきたこと自体が投資家心理から少しずれていたように思います。
 顧客から「お金回りの相談に乗ってもらいたい」というニーズがあった場合には、自前でやろうとせず、しがらみを抜きにして投資家本位の金融機関を公募したらいかがでしょうか?
トヨタの顧客であれば、これまでの所業を改めて(?)、「顧客本位の金融機関」になろうと頑張る金融機関が現れると思います。くれぐれも、そのときは、トヨタばかりを見る金融機関を選んでは同じ事の繰り返しになりますが・・。