米国の金融緩和の長期化、そして藤井新財務相の「安易な円売り・ドル買い介入を実施しない」発言を受けて、ドルは90円を割り込み、89円50銭まで円高が進みました。
市場は、どこまで円高が許容されるかを探るかのように、ジリジリと円高の足が伸びてきました。
これで、回復期待を前提にして考えていた7−9月期の業績についても、雲がかかっています。
 亀井大臣の債務の返済猶予(モラトリアム)構想発言で金融株全般が売られている最中に、追い打ちをかけるように、野村證券の大型公募の話が株式相場の頭を押さえつけました。「なんで、こんな時期に、しかも野村かよ」と怨嗟の声も上がっています。
 円高進行と業績見通し難に、政治のドタバタが重なれば、10月の株式相場はいったん下に向かうと考えるのが自然だと思います。
 しかし、この下落が相場の底割れにならず、2番底に向かい、その後の反転の機会となるのであれば、新たなジャンプに向けて必要な踏み込みだと私は期待しています。逆に、このまま、金融緩和と政府支援策に頼った目先の業績回復を背景に、日経平均株価が12000円、14000円に上昇するとしたら、それはバブルであり、また逃げ遅れた人が大けがをする結果にならないかと懸念します。
 昨日の円相場を見ていても、ドルが90円を割り込むと円高が一気に進むという見方がありましたが、現在のところ、ジリジリとした円高になっています。私は、この水準からドル売り・円買いを仕掛けるのは、仕掛ける方にもかなりリスクがある行為と感じているのだと思います。
 米国株式の動きが下落に向かったときに、欧州・新興国株式だけは堅調を維持していけるのでしょうか。米国株式相場がさらに強く推移していく、新たな材料が出てきたのでしょうか。
世界を見渡して、政府の補助を期待せずに、自立した景気回復がはかれそうな国が出てきたのでしょうか。
 こうした相場の熱い面と冷めた面を確認して、「妥当価格? ちょっと割安になっていない?」という価格の下落場面が世界的に起こることを期待しています。その相場の下落が、新たな相場の視界を開くきっかけになると期待しています。
現在の、過去の惰性で流れている相場環境では、新規投資を考える気にもなりません。
その最初の糸口は、ドル安・円高の為替相場。「現在のドル安を放置していて良いのか」という米国とその他の国とのコンセンサスの確認がなされ、近々、結論が出るような気がしています。
 私は、引き続き、この水準以上の円高は外貨資産を確保するチャンスだという見方は変えていませんし、円高を材料に売られる投資対象があれば、それは割安で投資できるチャンスだと考えています。