海外では金融取引の口座開設のときに、「私はプロ」、「私は投資のベテラン」、「私は投資の経験者」、「私は素人」など、自分の投資経験を自己申告させます。それによって、その人が購入できる金融商品の品揃えが変わります。自己責任で判断できるプロはどんなものでも求めれば買えますし、素人は確定物しか買えません。
 
 来年夏に金融庁は「プロ投資家制度」を導入するそうです。プロと認められれば、通常よりも割安な条件で購入できるメリットがあります。プロであれば販売の際の説明義務が軽減されるため、販売側のコスト削減の恩恵を購入者に返す仕組みです。
 これって、今でも行われていることではないでしょうか?説明の要らない顧客は当然、販売手数料などコスト面で優遇されるのは当たり前です。販売手数料は、購入時にリスクなどの必要な情報提供を受けるために、投資家が払うものだからです。だから自分で投資判断を行い、インターネットで金融商品を購入した場合の手数料が安くて当たり前ではないでしょうか。
 にもかかわらず、あえてこの制度が求められるのはどういう状況なのでしょうか。金融機関は投資家の経験値をはかることができず、自己申告を受けないと安心して販売ができない。金融庁は、金融機関に任せていたら、どんな売り方をされるか不安だから縛りを設けたい。投資家は、ますます自己責任を押し付けられる。これって勘繰りすぎでしょうか。