本日にも、中小・零細企業や個人を対象にした債務の返済猶予制度の原案が政府から発表される。「必要なところにお金が回っていない。金融仲介の役割を金融機関は果たしていない」という課題が現実に起こっていることは誰もが感じていること。

 しかし、大きな問題は融資を受けられれば事業や生活の継続が可能である先なのに、金融機関の保身のために、貸し渋り・貸しはがしが起こっていることであり、明らかに融資を継続しても、現在のままのやり方では、事業や生活の維持が難しいだろう先まで救うことを金融機関に強いるのは無茶な話で、そういう企業や人を救うセーフティネットの整備は国がやるべき仕事だという見方があります。
 今回の返済猶予制度の話自体が、十分内容が検討される前から亀井大臣の発言で、政府内の意見が右往左往する様子を国民は見ることとなり、「こんな思いつきのような、練られていない話の内容で法案化し混乱が起きないか」と国民は厳しく見ています。政府には、非常に丁寧な納得いく説明を期待します。
 最近では、家主が悪質な家賃滞納者の被害に遭わないように、家主同士のネットワークを作る時代です。金融機関に「なぜ、この融資を断ったのか」と高圧的に責めるだけではなく、逆に、その根拠を金融機関側の立場でヒアリングし公表して、その判断が正しいものであるかを世間の常識に照らす機会を作ったらよいと思うのです。お金を必要だと手を挙げる人に熱意だけで配ってしまい、せっかく作った制度の継続が難しくなっては意味がありません。
 「これは金融機関側の主張の方が正しい。同情する」とか、「それはこれまで融資の常識だったかも知れないが、金融機関はもっと柔軟であるべき」とか、金融機関の融資に関するモノサシを確認する機会があった方がよいですね。
 この制度がちゃんと機能していく絵を見せる、説明責任が政府に求められます。
 本日の日経に「ファストリ、逆風下の躍進 低価格・高機能でけん引」と、消費不況で小売り各社が業績で苦戦する中で、ユニクロが8年ぶりの最高益を更新したことを知らせる記事がありました。
その中で、柳井会長兼社長は、低価格競争について、「みんながそれに集中すれば新しい価値は生まれず、価値のないものは生き残れないと」とコメントしていました。ここが大事なポイントですね。顧客ニーズを先取りして、「こんなもの、欲しくありませんでしたか」とニーズを具現化して提案する。安易な低価格競争ではなく、提案力で勝負する。私も相談者に対して、そのようにありたいです。