投資マネーは、政策当局の足下を見透かしています。こんな神経質な年末が迫ったところで、「消費に厳しい話を持ち出せるわけがない。むしろ大変だ。大変だ。年が越せないという声が高まったら、飴さえもたくさん準備せざるを得ないかも知れない」と。

 将来的な不安の種が無くなったわけではないのですが、とりあえず目先は「売りか、買いか」と言ったら、買いのほうが効率的と判断した投資家が多く、年末に向けての短期決戦の綱引きは「買い方有利」のムードに変わったように私には思えます。
 不安は「このさき、どんなことが起こるかわからない」という心理から大きくなります。現在はどうでしょうか?
為替が円高になるかも知れない。円安になるかも知れない。みんながそう思っていると思います。しかし、たとえば円高・ドル安で70円になっちゃうとか、逆に円安・ドル高で110円になっちゃうとか、極端な為替の動きを想定しているでしょうか。
日経平均株価が8000円になっちゃうとか、12000円になっちゃうとか、極端な株価の動きを想定しているのでしょうか。
 おそらく、たいていの人が考えている範囲内での為替の動きであり、株価の動きだと思います。
 100年に一度の危機と言われた最中は、そのメドさえもつかず、突飛な数字が飛び交っていたので不安心理が増長されました。現在の水準は、その最中につけた為替水準や株価水準からは大分離れた水準にあり、その水準を再び割り込むという確信・恐れが発生する、現在想定していない何かが起こらない限り、おのずと相場が振幅する範囲は想定内で収まると思います。
現在想定していないことって、どんなことがあるでしょうか。「えっ、そんなことって考えてみたこともなかった」。あの100年に一度の危機で不安に感じたこと以外に新たに浮かぶことがあるでしょうか。
 そう考えると、株式投資自体が悪いわけではなく、外貨投資自体が悪いことではなく、不動産投資自体が悪いことではなく、その価値の水準の位置が割高であるか、割安であるかで、それぞれの投資を検討するのがよいと思います。そして、見渡して割安なものが見つかれば、自分の許容範囲で投資するか、しないかを決める。
投資を始めるなら、「株高・円安・低金利」のときより「株安・円高・高金利」のときに始めた方がみんなよいと思っているのに、「株高・円安・低金利」のときになって始めたくなる。
わかっているのに、おかしな繰り返しをするものです。