昨日は、私の提携先である生活設計塾クルーの定例セミナーがありました。今回は外部講師に山崎元氏を招き、「超簡単 お金の運用術教えます 貯蓄も投資もこれ一つでOK」というタイトルでした。

まだもう一度、25日に行われるので、詳しい内容に触れませんが、今回も「効率的な考えをすれば選ばない」と、金融商品をどんどん切っていきました。
「アクティブ型投信を選ぶのは効率的ではない」
「個人のポートフォリオには、個人向け社債や外債は必要ない」
「銀行で金融商品を買うものではない」
「医療保険はいらない」等々
 たまたまなのか、それとも「外債投資、個人向け社債に注目」と言っている前川の目を覚まさせてやろうという親心?、兄貴心なのか、相当の時間を割いて、
「機関投資家が買わなくなった社債を売りつけられる個人にリスクを選別する能力はない」
「債券は少額で分散投資は困難な投資対象だ」
「そもそも有利に見える外債の金利の高さも、将来の通貨の円高で相殺されて、どの外債を選んでも円債と同じパフォーマンスになる。同じパフォーマンスであれば、あえて為替リスクを取る外債なんて選ぶ必要がない」と説明されていました。
 ある意味で、今話題になっている「事業仕分けの評価」のように、効率的か効率的ではないかという基準でバッサ、バッサと切られているようでした。バッサ、バッサ切っていく、その有様は非常に小気味が良いのですが、そこに集まった人で「あれもダメ、これもダメ」と言われてしまった後、前向きな今後の対応がイメージできた人がどれほどいたのでしょうか?
 効率を考えたら、持ち家ではなく、賃貸なのかもしれません。効率を考えたら、アクティブ型なのかもしれません。効率を考えたら、医療保険に入らなくて良いのかも知れません。
だけど実際には、「持ち家か賃貸か」に悩み持ち家を選ぶ人もいますし、頭ではインデックス型と思っていてもアクティブ型の話に惹かれる人がいますし、医療保険はいらないと聞いて「だけどないと不安」だと迷う人もいます。
 私は長らく存在しているもの、たとえば金融商品でも、存在価値が全くないものはなく、必要とする人がいたから残っているものだと思います。したがって、大事なのは存在を否定してしまうことではなく、「もし使うとしたらどんな使い方が妥当なのか、どんな注意をすべきなのか」を説明してあげることだと思います。
 たとえば、インデックス型の実績を上回るアクティブ型は3分の1しかない。どのアクティブ型がインデックス型を凌駕する実績を残すかはわからない。だったらインデックス型を選ぶのが効率的。したがってアクティブ型は選ぶな。だけどですよ。3分の1のアクティブ型はインデックス型を上回っている事実があり、非効率かも知れないけど、あえてこの相場環境ならアクティブ型で大幅に市場平均を上回るアクティブ型を選んでみたいという人もいるはずだと私は思うのです。
「賃貸が良いのはわかるけど持ち家が欲しい」。持ち家を持ちたい人に賃貸の考えを押しつけるだけでは、その人の悩みは解消されず、かえって迷わす結果になりかねません。
 さきほど、山崎さんからダメ出しされた「個人向け社債」と「外債」の件はこのブログでも何回も取り上げてきましたし、「いま債券投資が面白い!」でも、私の考え方は述べてきたつもりです。私は山崎さんの話をお聞きした上でも、「債券は個人が投資を行うモノサシになるし、知っていて損のないもの」という考え方に変わりはありません。考え方は人それぞれだなあというのが正直な感想です。
 ただ一点、投資の手段として、株式、債券、不動産を主なものとするなら、そのうちの債券の「社債」と「外債」を除いて投資を考えなさいという決まり事があったら、長期の資産形成のプランを練るのに非常に不自由なものになってしまうと私は思うと、最後に述べさせていただきます。