「商売だから、そんなに正直なことばかり話したら誰も買ってくれないよ」。売りたいものを販売するためのセールスツールは色使いも鮮やかで、見場が立派なものが目立ちます。いかに今後将来投資をすることが欠かせないことで、みんなもその重要さに気づいている。もし投資をしない場合は、こんな不都合なことが起こるかもしれない。だからこの際・・・・「これ」。
 今後の環境変化に備えて、自分に投資が必要なことも理解できた。「投資が必要」であるところまでは、立派なセールスツールで理解できたのである。だけど、その解決方法の選択が何故「これ」(株式、投信、商品、その他もろもろ)なのかになると、非常に説明不足なものが多い。問題意識をあおった結果の解決策がこれかよ。他にはないのか。何故これでなければいけないのか。何故今あえてこれなのか。
 松井証券の松井社長は「大事なのは投資家保護。手数料を下げればよいという時代ではない」という。その通り。投資は人に説得されたり、追い込まれたりして始めるものではない。自分で判断して行うもの。わからないからやらないというのも立派な判断。
 「詳しく説明すると相手を悩ますだけ」。そこで悩みが出ることが大事。その悩みに一緒に考えて解決策を探ってもらえる人を投資初心者は求めているはず。セールスツールに頼った安直な営業は、将来投資が不調になったときに必ず顧客の不審を招く。「詳しく話したら不安で買ってもらえなくなる」という風潮があるとすれば、投資の広がりに多くは期待できないと思う。