「私に預けていただいたら投資で利益を出す自信があります」。こうして投資家から集めた資金をしっかり運用し実績を上げ、その実績に信頼して、新たな投資資金を受け入れるという流れが理想的です。
 しかし「声をかけたら投資資金が集まり過ぎちゃって、どう運用したら良いか。困っちゃうなあ」と思っている運用者が多いのではと疑りたくなるような話しが耳に入ります。
 上場見込みだった会社がいつまでたっても上場の見込みが立たず、企業の目利きのプロであるベンチャーキャピタルでさえも困っています。上場が確実に見込める有力な候補は、ごく限られた数しかないのです。ところがこれだけマザーズなどの新興市場が停滞しているのにベンチャー企業への投資熱は衰えず、特に運用に困った年金や事業会社からの資金流入が加速しています。
 以前、個人がヘッジファンドや未公開株式に投資しようと思っても、誰も相手にしませんでした。しかし最近では、「少額からでも投資できますよ」と向こうから勧誘に来るようになってきました。非常に胡散臭く思います。
 現在抱えている芳しくない未公開企業の株式を自分のファンドからはずして、新しい資金でもっと有望なところに投資を行い、短期的なパフォーマンスを大口投資家に提供したい。芳しくない未公開株のはめ先はどこかないか。そうそう個人向けにファンドを作って、それを利用してはどうだろうか。こんなファンドの存在が中にあるのではと私は疑っています。
 情報公開が十分ではない未公開企業の実際の価値を個人が評価する方法も能力もありません。株価の価値は運用会社の言い値を信じるしかありません。それだけ信頼できる先なのかの確認が大事です。しかし運用会社の信頼を確認する方法もありません。したがって、私はわからないものには投資しないというスタンスを守りたいと思います。