百貨店の売り上げが1985年以来の7兆円割れで約6兆6000億円、前年割れが12年続いているらしい。有楽町西武の閉鎖に見るように、あの立地条件でプロとして文句は言えない。

ダーウィンが言ったとされる言葉が思い出される。
「強いものが生き残ったわけではない。賢いものが生き残ったわけでもない。変化に対応したものが生き残ったのだ」
 私はよく相談者に、「身近にお金回りの相談ができる人がいたほうが便利ですよね」「投資は一人で続けていくのは難しいですよね」と言葉をかけて、「身近な金融機関の窓口担当者で使える人を探した方がいいですよ」とお勧めします。
 すると、大抵の方が「そんな人、見つかりますかあ?」とか、「前川さんは金融機関の窓口を買い被り過ぎじゃないですか?」とあきれられ、仕舞いには「現実離れした話しですよ。金融機関の窓口を頼れなんて・・・」と切り捨てられてしまいます。
 じゃあ、自分はどうなのか?金融機関の担当者に頼る場面があるのか。
ありません。「自分でできちゃう」ということはひとつにありますが、「どこにいったら、そんな担当者に巡り会えるのか」という非常に簡単な案内が金融機関側から提示されていないからです。
住宅ローン相談、保険相談、投資相談・・・・・などなど。
確かに、そういうコーナーは用意されているのだけど、どんな相談ができて、相談したらどんなことをしてくれるのか、そして、そんな相談を実際した相談者からどんな喜びの声が上がっているのか。
全く伝わってきません。
「窓口に行って、長く待たされたあげくに、こんな程度の話しか聞けなかった」
勇気と時間をかけて訪ねた相談者のマイナスの声が口コミで広がっています。
 そこには、こんなにも大きなニーズがあるのに、対応ができていない。銀行業界と百貨店業界がダブって見えてしまうのは私だけでしょうか。
 ある上位地銀の支店長さんに、「金融危機で傷ついた顧客対応はどうされていますか?現場の方の士気は落ちていませんか?顧客からの悩みや不安は現場に届いていますか?」とお聞きする機会がありました。そこでの話しを聞く限りでは、現場は逃げずに、こういう時こそ熱心な顧客フォローを行い信頼関係を深めるチャンスと具体的な行動の細目を決めて、現場の中で情報交換ができているとあり、「地銀の上位行になると、顧客対応の整備ができているところもあるんだ」と感心しました。しかし一方で、異なる金融機関の現場の方からは「上は口ばかりで頼りにならず、現場に対応を押しつけているばかり」とこぼす声も上がっているようです。
 こう言うとまた、前川は金融機関に期待しすぎとおしかりを受けると思いますが、金融機関の窓口に投資家はもはや期待していないのですから、その中で少しまともな投資家対応ができるようになれば大きな差別化となり、口コミで評判が広がる可能性があると考えていて、「金融機関には他との差別化を図り信頼を受ける、こんなにチャンスが続いているのにもったいないなあ」とずっと思っていました。
富裕層向けのサービスを前面に出し、豪華な店構えを演出している金融機関の発想にはがっかりです。訪ねた投資家・預貯金者が「もう一度相談しに来よう」と思えるサービス内容と質であったかが大事であり、こうしたリピーター客が増えて来なかった課題を解決する努力がある金融機関の登場に期待したいです。