こんな経験はありませんか?

 相談者の多くは「私は元々、そんなリスクを取って大きく儲けようとは考えていなかった。預金の低金利が我慢できなかっただけです」と反省し、「それなのに、なんでこんな結果になってしまったのか」とこぼします。
 「投資のことはよくわかんないのですが、預金よりもっと効率のいい投資信託があれば検討したいのですが・・・(前川さんの話では『年3〜4%程度のリターンで十分です』と具体的に、担当者に伝えることが大事だと言っていた) 年3〜4%程度で十分です あっ、言っちゃったあ」
「わかりました。それでしたら、これは過去の実績ですが、年3〜4%が期待できるものはこのへんですね ところで、年3、4%程度のリターンでいいのですか?」
「どういうことですか?他にいいものがあるんですか?」
「今、非常に注目されているのですが、これなんかは分配金が多く出て、人気があります」
「へえー、1年で50%ですか?」
「これなんかも・・・」「これは30%?」
「これも・・・」「20%?、みんな、すごくいい成績なんですねえ?」
「年3,4%のリターン程度の期待のものでよろしいですか?」
「そう言われると、目移りするなあ。じゃー、あんまりリスクは取りたくないので、欲張らず20%のほうで説明を聞かせてください」
 人間、つい欲が出ます。話を聞くにつれて「そりゃーリターンが高い方がいい」と当初の「3,4%程度で十分」という前提を見失って聞き入ってしまいます。
 昨日はマネー誌の企画で「買っちゃいけない投資信託」の題目で座談会に参加しました。参加者の方には「だから窓口で相談してはいけないんです」という考え方もありましたが、私はやはり投資経験の浅い人が一から選択肢を探り、絞り込み、判断し、決定するのは困難であり、助言は有り難い存在だと思いますし、できれば、身近な金融機関の窓口が頼りになればそれに越したことはないと考えます。
 その際に、担当者をオオカミにさせない工夫が必要です。「私はよくわかっていません。何がよいかを教えてください」という態度を見せてはいけません。「わからないことはわからない」と積極的に恥ずかしがらずに質問をし、理解が間違っていないかと確認を繰り返すこと。その努力は、自分のお金の事だから惜しんではいけません。
 担当者の中には「この客、面倒くさい」という態度を取るものがいるかもしれませんが、そんな対応をする人間は当てになりません。そんな人間から投資信託を買っても、その後の相談の役にはたたないでしょう。このときに、熱心に、丁寧にわかりやすく説明してくれる担当者は、その後のいろいろな相談にも頼りになるかもしれません。お金回りの相談ができる人は非常に少なく、自分から求めて探さないと見つかりません。是非、機会があれば、「この担当者は頼りになる人か」を試してみてください。
 頼みもしないのに、向こうからにこやかに寄ってきて「お任せ下さい」という人はまず疑って付き合いましょう。