「答えに困りますよねえ」という質問は、「ギリシャ問題は本当に深刻なものなんですか」とか、「ユーロ危機ってまだ始まりの段階だという人がいますが、どう思いますか」とか、「きな臭い話しが出てきましたが、本当に戦争が始まるのでしょうか?景気の打開策はいつも戦争だと言っている人がいますが」とか・・・、ですね。
 すぐに解決する話しではなく、「大丈夫です」と言い切るのも躊躇しますし、逆に「そうですね」と肯定すれば、ますます「前向きな見方を疑う」気持ちを大きくして、暗く思考を止めて厭世観にさいなまれる人を増やしていきます。
 個人的には、今は「何を言うか」を材料に一喜一憂せず、「何をした」という実行の検証を行うことが大事だと考えています。
 そういう意味では、昨日欧州中央銀行(ECB)のトルシェ総裁の記者会見で「ギリシャなどの資金繰りを支えるために始めた国債の買い取りが市場の安定に果たした役割は大きく、当面続けていく」と強調したのはよかったと思います。
 先日、ソブリンリスクのないユーロ圏勝ち組国の多くがユーロ安を心配していない、むしろユーロ安の為替の動きは好ましいとユーロ安を容認する発言をしました。これは本音です。
ただ、心配なのは、ソブリンリスクが高じてユーロの継続・存続を危ぶむムードが高まることは国益を守るために断固阻止しなければなりません。
 経済・財政の安定に向けて、ユーロ圏各国の努力は当たり前ですが、これはすぐに効果が見える事柄ではありません。したがって、まず行うことは効果が見えること。ユーロ安を止めることではなく、ソブリンリスクを後退させること。そこで政策金利を当面据え置き、ユーロ安の加速を止め、安定化をはかり、徹底して、ソブリンリスクが高まったユーロ圏の国債を「そんなに割安で叩いて売りたければ全部買うよ」という強い姿勢を見せ、売り手を買い手に変える。そうすることで国債の新規発行が困難になる状況を回避することしかないと思います。それを信頼が回復するまで実行し続けることです。
 この結果、ユーロ問題国の自助努力で国債発行を継続していく道が確保できれば、自然にソブリンリスクは収まっておくことになるでしょう。ここはECBにとっても、ユーロにとっても、負けるわけにはいかない戦いです。「楽観的であれ」とは思いませんが、危機が編み出した人間の知恵に期待したいですね。「この世も終わり」で終わった試しはありません。
 同じように、日本の政治にも、シュンとしたところを期待したいですね。足の引っ張り合いに終始せず、仕事をやった振りをせず、見苦しい言い訳はなし、ただ、やるべき事を明確にして、淡々と実行に移してもらいたいと願います。