テレビ番組で、最近「濃い味ブーム」が起こっていると紹介がありました。ダイエットでカロリーを気にしたり、節約にいそしんできたものの、不景気な状況にも変化はなく、「ここはたまには、ガツッと食べた感のある濃い味を楽しみたい。ダイエット?節約?もうー、疲れた」という心理が働いているらしい。

 私は甘いもの好きなのですが、それもたくさん食べたい口なのですが、最近は「量は我慢しても、おいしいもの、満足感の高いものを食べたい」という衝動に駆られています。
「ただ安いだけ」のものは飽きられる。もっと安いものが出回りだした時点で価値がなくなります。多少高くても、日常を少し我慢して、本物を求める傾向が出ていると感じます。
 投資、金融商品の世界でも、「手数料を安く、もっと安く、それで足りなければおまけもつける」という話しが溢れています。
昔、松井証券が株式手数料の引き下げに踏み切った時に「我々はこんな高い手数料を頂くほどの仕事をしていません」と言いました。そして大手証券会社は当初ブーイングでしたが、結局はどこも追随しました。仕事の質に見合わないから報酬を自ら返上した。
 手数料の高いアクティブ型ファンドが手数料の安いインデックスファンドに駆逐され、もっと安い手数料のETFが出現するとインデックスファンドはさらに負けじと手数料を引き下げる。
 7月2日に東証上場した三菱UFJ信託銀行の貴金属ETFについて説明を聞く機会がありました。通常のETFにあるはずの運用会社はなく、三菱商事が信託委託者として現物を拠出し、三菱UFJ信託銀行が信託財産の管理を行い、東証で売買されています。
 ETFは最初に投資対象を組み入れて組成したら、その器を投資家が売買します。普通の投資信託のように、投資家の注文に伴う市場を通じた売買が発生しないため、売買に伴うコストがないから、ETFのほうがコストを低く抑えることが可能です。つまりETFは組成された後の運用手間がいらないのですね。したがって、信託財産を管理するところがあれば、運用会社はいらない。
 「あなたの報酬は、どんな仕事をしている見合いなのでしょうか」
手数料の引き下げ余地がある⇒見合った仕事をしていない⇒手数料の引き下げ余地がある
 そう思われないように、報酬を頂いている仕事は常に付加価値を高める努力が欠かせず、安易な報酬ダンピングは自らの首を絞め、存在すらも疑われることになりかねない自殺行為。
「多少高くても、納得ずくの仕事を求めたい」とする顧客・投資家の期待に応えていきたいものです。