本日の日経新聞に「日米欧3月末 企業の待機資金470兆円 先行き不安 政策見極め 有効活用が成長のカギ」という記事がありました。待機資金の規模は1990年のバブル以来の水準だそうです。企業にとって、多くの資金がコストをかけて調達したにもかかわらず、使い道が見つからず、そのまま寝かせているお金だとしたら、頭の痛い状態が続いていることになります。

 金融危機が発生し、金融機関の貸し渋り、貸しはがしにあい、普段では期待しなかった個人のお金まで個人向け社債を発行して調達したものも含まれるでしょう。「あんな高い金利で調達して、何も役を果たせていないとは・・・」と困っている企業も多いと思います。貸し渋り・貸しはがしをした金融機関も、お金に困って回収しようとしたわけではなく、貸したお金が不良資産になるのが恐くて、お金を集めたので、こちらもゼロ金利の環境で困っています。
 そういう意味では、欧米銀行の格付けが下がったため融資の資格がなくなったところが出てきて、格付けが高いという理由でハバード大学向けの協調融資に参加する枠が回ってきた三菱東京UFJ銀行の話しは興味深いですね。三菱東京UFJ銀行にとって、ゼロ金利で寝ている資金を、円高の時期に海外の優良先に融資できる機会になったわけですから。
 なぜ、エコカーの政府補助を止めてしまうのでしょうか?ここは徹底的に、分野を絞り込み、エコカー関連事業で日本の競争力を高める素地を固めるために、踏ん張って続けるべきではないでしょうか。別にエコカー関連事業以外で、日本にとんがった日本の得意分野があるのであれば、それでも構いません。総花的に、あれもこれも、こっちはある程度形になったからこっちも的な、資金面でも、時間的にも、日本にそんな余裕は残されていません。夢を実現していけそうな分野に絞り込んでいかないと、日本はますますマイナーな国に成り下がっていってしまいます。
 「日本っていう国はもの作りでいい技術を持っているんだけどなー」
「日本人は勤勉で能力の高い人材が多いのになあー」
「日本のこの技術なしにはものをつくれない」
本当に、そのように日本以外の国で思われているのでしょうか?
「日本はこのままで大丈夫かなあ」と、日本の危機感のなさを心配されているような気がします。
 残念ながら、日本発ではなさそうですが、世界では「この機会に、のし上がってやる」という企業が溢れているようです。その企業群にとっては、足下でゼロ金利で寝ている潤沢なお金は好ましい条件です。国内だけを見ていると暗い話しばかりですが、成長の芽はあちこちに育っているような気もします。日本にとって、数少ない芽のひとつがエコカー関連事業だと思うのですが・・・。政府の補助なしで、日本の得意分野だと将来も胸が張れる状況であり続けることができるのでしょうか。
 ロボット分野の方が「日本で評価してくれる人は多いんだけど、実際お金を出そうと動いてくれるのは海外の人なんだよねえ」と話していたのが印象的です。