昨年は証券優遇税制を2012年まで3年間の延長が決まり、証券税制に大きな変更が無く、投資家にとっては平穏な年でした。

 証券優遇税制とは「投資信託や上場株式等から生じる所得への課税を、本来の20%から10%に引き下げた」税制です。

 しかし、今年は改めて政府税調が日本版ISA(少額投資非課税口座)を利用して最大300万円(毎年100万円×3年間)までの投資から得られる値上がり益や配当・分配金が最長10年間非課税になるという新しい仕組みとの引き換えで、優遇税制を廃止して、元の20%に引き上げるという政府案をまとめました。
 確かに預貯金利息等の課税税率が20%、投資信託の分配金は10%と、バラバラな税制を統一し税の体系をわかりやすくしたいという意味はわかります。
しかし、その引き換えに出てきた日本版ISAという仕組みはわかりやすいものなのでしょうか?
私の場合、この投資の道で生きている人間の私でも、説明を読んでいるだけで「面倒くさい」という印象です。
 これまでも証券税制は複雑です。「この場合はええーっと・・・」という具合に、「自分の場合はどうなのか」といちいち聞かないとわからない、そして聞かれた人もわかっていない、非常に面倒くさいものになってしまっています。
 いろいろ問題は抱えていますが、課税関係が源泉徴収で完結する方法は非常に簡単で便利です。この投資に尻込む環境の中で複雑な仕組みを持ち込むのは、販売金融機関、投資家に負担を増やす迷惑な施策だと思います。もし「20%と10%が混在してわかりにくい」というのが理由なら、優遇税制の10%に統一したらいかがでしょうか。
 その後、日本版ISAの仕組みを検討して頂いた方が投資関係者にとってはありがたいでしょう。
 「金持ち優遇である証券優遇税制はけしからん」と投資家のやる気をそぎ、投資家自体を減らすのが本意ですか?そもそも政府は何のリスクを取っているのですか?何も取っていません。言い過ぎだとは思いますが、投資家が気持ちを揺らしながら、やっと獲得した利益の上前をはねているだけです。
 資金の巡りが悪くなってしまった経済を活性化していくサポートを期待します。ただ単に、10%の課税率を20%に戻したいだけが頭にあって、日本版ISAの成功は成り行き任せでは困ります。
 相場はミニ金融相場の導火線に火がついたように思います。「えー、ここまで買われるのう?」と弱気な方が次第に感心してみるようなジリ高の相場展開を予想しています。