人間、失ってみて初めて有り難みを知ることが多いですね。そういう意味では、銀行はこんなゼロ金利でも預金を預けてくれている預金者にもっと感謝し、どうしたら、その預金者にもっと報いることができるのか、行動を示してもらいたいものです。

「預金を預けてもらっても、運用する道もなく、あんまり有り難くもないんだけど・・・・」という金融機関なら看板を下ろしてもらいたい。ゼロ金利で調達できる手段を持つ金融機関をうらやましく思っている人はたくさんいます。
 おそらく財務省は、国内のゼロ金利を有り難く思い、そして、そのメリットを今のうちにできる限り享受したいと考えている主体の筆頭だと思います。昨日、財務省は個人向け国債の商品性を見直す方針を決めました。
 これまで10年変動金利型国債の金利の決め方は「基準金利マイナス0.8%」でしたが、来年7月以降は「基準金利×0.66%」になりました。つまり基準金利が1.2%であれば、これまでは0.4%でしたが、今後は0.792%と大幅なアップになります。金利水準が2.5%程度以上まで上昇しなければ、新しい方式の方が得になりますし、もし上昇したら、持っている個人向け国債を解約して、高い金利の債券に乗り換えればいいので、個人にとっては良い話しです。
 また5年固定金利型国債がイマイチの不人気だったのは、2年間保有しないと中途換金ができない点でしたが、これも改善されました。2年を1年に変更しました。
 だいぶ、これで個人向け国債の使い勝手が良くなり、魅力アップにつながりました。ゼロ金利でも預けてくれる預貯金者に対する有り難みを感じるセンスの違いと、預貯金者にサービスしてつなぎ止めようとする危機感の違い。当たり前に思っているゼロ金利の預貯金を失い始めてから慌てても手遅れでしょう。
 個人にとっては、個人向け国債の利便性アップは確実に、円確定金利商品全体の利便性アップにもつながるはずです。それには、個人がみずから個人向け国債の存在を知り、使い勝手を確認し、預貯金と比較するクセをつけて頂く必要があります。個人向け国債は知っていて損のない金融商品です。
 そして銀行・郵便局は個人向け国債を預貯金の競合商品として敵視するのではなく、預貯金の補完として積極的に研究すべきだと思います。