マネー雑誌の方が編集会議で「前川さんが日本株は買い場だと言ってました」と話したら、「あの前川さんが・・・。外債じゃなくて・・・」とびっくりされたのが2010年でした。

 私は2006年、2007年と、「ここから個別銘柄の株式に投資するなら、途中で売ることができる人でないとストレスを溜めますよ」と相談者には忠告しました。私の経験では、多くの人は株式を結局、途中では売りの決心がつかず、買いっぱなしになってしまうからです。そして、「何であの時売ることが決心できなかったのか。何で買ってしまったのか」と後悔しているからです。
「いいところ」で買えたとしても、いいところで売るのは難しいからです。
 そして、その時に、「今は株式買い」という専門家は調子が良いと思っていました。ほとんどの人が上昇する前の株価停滞時に「株式は投資対象としてはまだ時期尚早」と語っていたからです。
「上がってから買い」を助言されても・・・。何故上がる前に助言してくれなかったのか」
それが投資家の正直な感想ではないでしょうか?
 本日の日経記事「FPに聞く2010年、2011年」のコラムで取材を受けました。2010年について聞かれ、「2010年はボックス相場。安いところで買い、高いところで売る。もしくは安いところで買って忘れるを繰り返す投資方法」を取り、特に日本の個別銘柄、金ETF、新興国債券を投資対象としたと答えました。続けて2011年について聞かれ、「2011年は割安から妥当に向かう年で、これまで割安だった日本株式、割高だった円高のあるべき水準を探る修正の年であり、どこまでの修正があるかは後で振り返らないと分からないことであるため、自分で想定した割安な水準を定めて投資の網を張り、10%程度のリターンが取れたら利益確定を繰り返す投資方法」を続けると答えました。
 そして特に、200円から400円程度の低位の株価水準にあり解散価値程度以下のつぶれるはずのない企業の株式に注目していると答えました。
 記事の大見出しに「分散投資 来年も期待」とありましたが、私はあえてここで分散投資を勧めません。
自分が割安だ、確実にリターンが期待できる対象が見つかった投資家であれば、自分が割安だと思う投資対象に、割安だと思うタイミングで集中投資してリターンアップを図っていいチャンスだと思っています。逆に言えば、こんな割安に思う投資対象がゴロゴロある時に、自分に土地勘のない投資対象に分散投資という大義を重んじて取り組む必要があるのかともったいなく思っています。
 この先、「日経平均株価が13000円になったら、17000円はあるかも」と強気になるかも知れない人は、今から検討しておいた方がいいですよね。「節目抜け」という相場言葉があります。不思議な言葉です。それまでは買うのに慎重だけど、ある水準を抜けると俄然強気になってしまう。
 だったら、その水準を抜けるかもと期待できる対象であれば、じっくり投資する覚悟で安い時に投資しておいた方がいいですよね。どうせ、節目抜けして、良いところで売ることは、ほとんどの人にとっては苦手なわけですから。
来年は「あー、もう少し持っていたら、もっと儲かったのに」という「儲け損なった」繰り返しをしたいと思います。「売り損なって大損をしてしまった」経験を二度と繰り返さないために・・・。