日経新聞に「大和証券、昨年12月信用取引口座開設増加数1位となり、インターネット専業証券を上回る」という記事がありました。12月から信用取引口座を開いた人を対象にネット売買手数料を無料にしたことが受けたとのこと。インターネット専業証券の領域に飛び込んでいって、そこで大和証券は何をしようとしているのか、何をめざしているのか?よくわかりません。手数料競争での勝者をめざすのでしょうか。

 FX業者の人と以前に話をした時に、マーケティングでもっとも大事なのは、「お客さんに大きく儲けて頂くことではなく、大きく損をせず、長くマーケットにとどまって取引をしてもらうこと」だという結論に達しました。信用取引、証拠金取引は、自然に任せて、勘に頼った取引を繰り返せば、勝ち負けを繰り返しながら手元資金を全部持って行かれて、終には借金をするようになり、取引の継続を断念することになります。投資家の立場で、ハイリスクは理解しながらも、ハイリターンは魅力。できれば、投資の有効な選択肢として自分のものにしたいと願っている人は多いはずです。しかし、その取引のサポートをしてくれる水先案内人はほとんどなく、コストの安さと最新鋭のトレードマシンの提供だけ。もし大和証券が新しい道を開くとしたら、信用取引を投資ツールとしての活かし方をある程度のフィーを投資家から取って堂々と案内したらいかがでしょうか?フィーを頂戴しても価値ある内容であることが前提ですが・・・。
 大和証券の個人力はどこに行っちゃったんでしょうかねえ。大和証券は以前、「大いなる地場証券」と言われていたことがありました。野村證券は何人ものスペシャリストが一人の顧客のために提案を行い、総合力で群を抜いていました。大和証券は野村證券ほどの組織力がないので、個人でなんでもかんでも首を突っ込み自分で覚え、個人の能力で野村の総合力と対抗しました。
 したがって、大和証券の担当者はバラバラの相場観を持ち、まとまりがなく、だけど、その発想を顧客は面白がって「おまえはどう思う?会社の考えではなく・・・」と問われたものです。
 「大いなる地場証券」。私はお客様からの最大級のほめ言葉だと思いました。野村にも勝てる可能性を見ていました。個人力では野村に負けないと思っていました。
大和証券の、その個人は今何を思っているのでしょうか?めざしていたはずの野村證券でさえ存在感を失い、過去に積み上げた遺産を取り崩しながら、ただ時間に流されているような証券界。5年後の証券界はどうなっているのでしょうか?そんな近未来でさえも、どうなっているのか、イメージが沸いてきません。