昨日、東証とFPとの共催セミナーがあり参加してきました。

東証はこれまでも投資家向けのセミナーを開いてましたが、今回は特にFPに絞った初めての試みです。そこではFPにETF(上場投資信託)の理解を広めてもらい、できれば、FPの立場から広く宣伝して欲しいとの狙いがあります。
 個人的には、ETFという存在は投資家にとって、なくちゃ困るものではありませんが、あったほうが良いツールだと思いますし、使う人の技量によってさまざまな使い方が見つかる、奥の深いツールだと思います。
 ただ国内のETFの大きな課題は「買うに買えない、売るに売れない」という値動きがある金融商品としては致命的な課題を現在も抱えていることでした。
今回、日興アセットの方の説明にもありましたが、買い方、売り方の厚みがないETFの売買では、「成り行き買い」、「成り行き売り」は思いも寄らない価格で約定される危険性があるので、注文方法は「指値」で行う方が望ましいというアドバイスがあったほどです。
 そんな課題を抱える中で、東証も投資家もETF関係者も考えました。そのひとつの答えが「アイナブ」というモノサシをつくること。
「アイナブって何?」と私も思いました。インディカティブNAV(推定純資産額)のこと。「これも何?」と思う人が大半だと思いますが、ETFが本来現在あるべき価格のことです。
 ETFは株式と同様に市場で決まる価格と本来現在あるべき価格の二つがあり、同じものでありながら一致しないけっこうあるという課題があります。
たとえば日経平均株価が1万円である時に、日経平均株価1万円水準なら買いたいと思うETF投資家の数が売りたい人の数よりも多いとETFは需給関係により1万300円でないと買えない現象が起こります。中国株式のETFが日本で上場する時に買い気配が続き、本来あるべき価格よりも割高で寄りついたことが過去にもありました。
 あるべき水準からかけ離れた価格がつく可能性があるETFは極めて大きな欠陥商品です。
例えばトヨタ、日産、マツダを組み入れたETFがあったとします。ETFを買う人はトヨタ、日産、マツダを同時に買いたい人です。その価値はその時のそれぞれの株価を合計したものであるはずです。しかし、実際はETFそのものの需給関係で決まってしまい、いくらで買えるかはわからないとすれば、そのETFに投資する意味はなくなります。
 そのため、東証がETFの内容から「あるべき現在の妥当価格」をリアルタイムではじき、乖離した価格をけん制するという仕組みをつくるということです。
 これは非常に良い試みだと思います。これはETFの課題である出来高、流動性不足解消の一手になると思います。買いたい人は「あるべき現在の妥当価格(アイナブ)」を参考に指値を出し、売りたい人もこれを参考に指値を出す。その価格が妥当であればあるほど、仕事をしなければならない人に緊張感が出てきます。指定証券会社の人です。
 指定証券会社は投資家の売買を円滑にする役目を負っていましたが、これまでは「だって注文が入っていないんだもん」と開店休業状態を是としていました。
 それが「アイナブ」導入で、妥当な価格での売買指値注文が入ってきたら仕事をしないでよい言い訳が通らなくなります。「何で注文が入っているのに、約定が少ないんだ」とあっちこっちから文句が飛んできて仕事に緊張感が増していくということです。
 東証は3月から「アイナブ」を導入するそうです。注目したいと思います。
 日本株式相場はいよいよ10200円から10500円のレンジを抜けて、再び強含みの展開になりそうですね。楽しみにしておきましょう。為替が円高に振れたところは外貨の新規・追加投資を検討する流れも変わりません。