震災に遭う前の日本株式相場は、「一時から見れば、だいぶ水準は上昇してきたけれど、中長期の視点で見れば上がりだしたばかり」と、まだまだ投資余地のある銘柄を物色していました。一方、為替相場は落ち着いていて、もっと円高にならないかと期待して待つ人が多かったと思います。

 そのため当時は、「この水準でも長い目で見れば、円から外貨にシフトする価値あり」というメッセージを出したいとマネー誌の企画があり取材を受けていました。当時、米ドル80円台、豪ドル82円台、ユーロ113円台でした。
 「だいたいこういう企画を持つと発刊のときに大きく円安に振れていたりするんですよね。だけど、今の環境なら、そんなにスススーッと円安に振れることはないでしょうが・・・。アハハ」
なんて笑っていたのですが・・・。皮肉なものです。
 逆に日本株式は、「中長期の視点で見れば買い。まだまだ投資余地のある銘柄がゴロゴロでてきた」という状況になりました。皮肉なものです。
 本日の日銀短観の数字を見ても、先のことはよくわからない・・・、そんな数字でした。たしかに、先行きの見方は厳しくはなりましたが、ドンだけ悪くなるかは検討がつかない。1週間先、1カ月先、半年先、1年先・・・・。先になればなるほど、現在よりは良くなっていると思うけど、どれほど好転しているかは全く読めない。したがって、ここから株式を売り込むのに躊躇はあるけど、買う気にもなれないという水準にあると言えます。
 私は震災前の為替相場が「今慌てて投資しなければならない時期とは思わないけど、中長期で見れば円高水準である」と考えたように、「今慌てて投資しなければならない時期とは思わないけど、中長期で見れば株安水準」と考えて、目をそむけるのではなく、前向きに検討する気持ちを持ちたいものです。現在、日経平均株価指数採用銘柄のうち、約4割が一株純資産を下回る株価水準にあります。その中には「なんでこの震災の影響でここまで売り込まれなければならないのか」という企業もあるように思います。
 せめて、「現在どんな銘柄が解散価値を下回る株価になっているのだろうか」と関心を持って調べてみる気力は持ちたいものです。もし日本株への投資に興味があるなら・・・。