ついこの間まで「円は安全通貨であるから」と円高を懸念する相場だった流れだったのに、いざ円安に水準が変わってくると「なぜ円が売られているのか」という説明に説得力が出てきます。円安になればなるほど、逆に円高になればなるほど、その流れを正当化する声が高まります。

 円安になっていく、または円高になっていく根拠がいかに妥当であっても、それだからといって、どこまでも円安になることもないし、円高になることもありません。まず。4月7日に注目されるユーロの政策金利の引き上げがあるのか、ないのか。その後、さらにユーロ高の基調が続くのか。いったん落ち着くのか。それとも反転反落するのかのムードの流れに要注目です。
 個人的にはユーロ高を加速させる展開をユーロは避けたいと考え、政策金利を上げるなら、上げた後はその後を注視するという姿勢を示し、連続利上げの思惑をけん制する形にするか、あえて今回は利上げ必至のムードを残したまま利上げをせず、ユーロ高期待を引き続き市場に残すお膳立てをして、利上げではなく、その代わりユーロ高でインフレ懸念をけん制する形にするのではないかと思います。いずれにしても、ユーロは不安定なバランスの中での高止まりが当面続くのではないでしょうか。
 米ドルはユーロのその後の動きに影響を受けて、もし商品相場が反落、もしくは落ち着いてきたら、少なくとも金融引き締め政策は先送りという見方が大勢となり、円の次ぎに弱い通貨として、円に対してのジリ高・円安傾向は続くのではないでしょうか。いずれにしても、目先、大きく円高に振れる場面はあまり期待できず、あったとしても、短期間に浅い円高でとどまってしまう可能性が高いと思います。
 しかし一方で、このように円安・円高のシナリオが綺麗に整ったときほど、いざというときの注意を怠れません。ついこの間までの円高の時に「外貨資産をこんな持つべきではなかった」とか、「こんな円高の時に追加投資できないのは残念」とか、強く後悔した人は、万一の円高局面に備え、一部外貨資産の割合を落とす機会として検討しておくことも大事だと思います。