先日のブログで「国債破綻や円安危機の風評に世の中が揺れたときに、政府間の対策・準備は十分にできているのか」という疑問を書きました。正直、現在のところでは、やはり今回の原発問題のように場当たり的な対応に追われてしまうのではないかと危惧しています。

 金融を見てきた人であれば、今回の原発事故で補償問題が取り上げられた時点で、「東京電力の株価の行方はもちろんだけど、電力債の扱いはどうなるんだろう?まさかデフォルトの話までは進まないだろうなあ???」と心配したはずです。ある意味、誰もが口に出すのもはばかってしまう神経質な問題でした。
 だいぶ時間が経過した今頃なって、やっと、東京電力債の破綻回避のための方策がボチボチと出てきました。マスコミ・メディアから問題を指摘されてからの対応となり、やはり大きく後手に回った対応と言わざるを得ません。電力債の位置づけは特殊です。電力の安定供給のためには、確かな資金調達の道の確保が必須であり、国債と同様に、定期的に債券の発行が行われてきた特別な、特別な社債です。国債に次ぐ信用力のある債券として、国債と同様に広く機関投資家が利用してきたものです。もちろん個人にとっても馴染みの深い債券でもあります。信用はいったん崩れるとオジャンになってしまいます。それだけ大事で大切な電力債への信用の扱いを国益として政府は神経質に対応してきた結果として、現在の状況は十分だったと言えるでしょうか。
 個人的には懸念が広がる前に、政府は即座に「東京電力債のデフォルトはあり得ない」と宣言すべきだったと思います。電力債は東京電力だけではありません。さらに不安を広げてしまうのはもってのほかです。
 日本株相場は9500円から9800円程度を行ったり来たりしていますが、これだけの不透明な要因が横たわっている中で、よくしっかりと頑張って値保ちがいいなあと思っています。それだけ、普通の状況に戻りさえすれば現在の水準は割安だと考える投資家が多いのだと思います。「この水準ではあえて売りたくない」という投資家の抵抗があるからです。
 その足を引っ張っているのは、日本の政治リスクです。逆に言えば政治に期待できなくても、政治が足を引っ張る懸念が後退するだけで市場のムードは一変すると思います。
 被災地の人の声、被災地の自治体の声、「せめて、これだけはなんとか優先順位を上げてスピーディにやってもらいたいんだけどなあ」という、今必要とされる課題を解決できないものか。もしくは現場に財源と裁量を任せられないものか。なぜ、そんなに時間がかかる?
 市場動向の大きな火種になりかねない東京電力債のデフォルト懸念を一刻も早くおさめてもらいたいと切に願います。