為替水準が円高であることや日経平均株価が下落していることで、自分の資産の評価が落ちているのは、「行き過ぎた割安水準は、いずれは妥当価値に戻るし、割高になることだってあり、時間が最終的に解決してくれるもの」と開き直って様子を見ることが出来ます。

 ただ東京電力株を長らく配当利回りを期待して保有している投資家のことを思うと、気の毒でやりきれない思いがします。「東京電力はつぶれる会社ではないし、値動きを追って株式投資するのも苦手。配当利回りで満足して、そこに値上がり益が伴えばラッキーだと思う」と考えて投資していた人が多いと思います。また、「私は全く株式投資には興味がなかったけど、主人が残してくれたものだから」と次の人に引き継がれた形で手元に置かれていた人も多い代表的な銘柄でもあります。
 ところが、その東京電力株は予想だにしない株価水準まで暴落し、しかも取り柄であった配当はしばらくの間、期待できない状況がほぼ確実になっています。一番厄介なことは、東京電力という会社の今後が、東京電力自身の意向では決められず、政府の意向次第で方向がぶれてしまう状態であることだと思います。
 普通の上場企業であれば、市場の暴力により株価が乱高下する中で、企業は株主や投資家に正しく理解してもらおうと「自分たちはこの危機にこんな対応をしている」と情報発信を行い続け、その時々の発信から投資家は「そうは言っても売られすぎだろう」「少なくてもつぶれる会社ではないだろう」とかを受け止めて、再び投資を検討するスタート地点についてきます。
 東京電力という会社は普通の上場企業ではありません。だからこそ余計、東京電力の株主・投資家に対して、東京電力はもちろん政府には、少なくとも株主・投資家の不安をあおってしまうようなドタバタを招き、逆なでするようなことがないように細やかな注意・配慮が求められているはずです。
 現状では、「私、東京電力株をずっと保有してきたのですが今後どうしたらよいと思いますか?」という問い合わせがあった場合に非常に悩みながら答えています。投資には「買う」「売る」「様子見る」のたった3つの選択しかないのですが、よーく相談者と話し合った上でないと判断が難しいと正直思っている課題です。