運用のプロと異なり、個人投資家には「いつまでになんぼの利益を上げろ」とか「どこどこには負けるな」という余計な雑音が入らず、自分のペースで投資を行い、万一損失が大きくなっても、自分の責任で売らないと決めればすむし、「昨年はあんな大損こいたから、今年は安全な主体での運用に徹すべき」と上に言われて、対象が割安だと個人的には思っていても手が出せない不自由さもありません。
 個人は「買って忘れる」投資ができるけど、プロにはそれが許されない。
 2008年後半から2009年夏場にかけて、機関投資家が社債を買ってくれなくなって、企業は何とか個人に社債を買ってもらおうと一生懸命だった時期がありました。
当時、「プロが見放した社債を個人がリスクも分からず買っている。業者が個人に割高な社債を売りつけている、ひどい行いであり注意が必要だ」という専門家のコメントもありました。
 そして、今米国国債とさほど変わらない金利水準で社債発行が急増しています。買い手は国債よりも少しでも高い金利を求める機関投資家。米国国債10年利回りは現在、今年最低水準の3.1%程度になっています。
 金融危機当時では年10%を超える利回りの投資適格債も珍しくありませんでした。あの当時、多くの機関投資家が手を出さなかった社債に個人は証券会社に勧められて、もしくは自らの判断で、直接、もしくは投信を通じて間接的に投資して、結果、大きなリターンを得ました。
 同じ投資環境で同じ投資対象を売買しようと考えれば、当然、ボリュームが大きな機関投資家の条件が優遇され、個人が冷遇を受けるのは仕方ありません。
しかし、割安な投資環境になって買いたいときに買えない機関投資家のことを思えば、個人の方が大きく利益を上げるチャンスの機会は多いと言えるのではないでしょうか?
 「機関投資家が社債を一生懸命買っています」と聞いたら
「社債ってもしかしたらいいかも?」と考えるのではなく、「お気の毒に」と考えたほうが良いでしょう。他にもっと割安になっている対象はないのかと考えた方がよいと思います。