新興国にとって、食料品価格やエネルギー価格の上昇は景気回復のダメージに直結します。QE2で米国のドル安誘導を責める余裕はなく、政策金利を引き上げ、預金準備率を引き上げ、そして断固として抵抗してきた自国通貨の切り上げまで容認せざるを得なくなってきました。

 こうなってくると一番憎い存在は、将来的な価格上昇の傾向はやむを得ないとしているものの、足下では実需とは離れた投機的な上昇を続ける商品相場。当然「投機的な動きは牽制すべし」というインフレを恐れるが故の意見は支持されやすい。ここにきて、割高であると認識があった商品の急落が目立ってきた。
 2009年に急回復を見せた新興国株式市場も二番天井を打ち、さえない動きになっていて、中国市場のIPO(新規公開企業)銘柄の公募価格割れが続いているとのこと。おそらく、日本がそうであったように、これで不動産市場のバブルが懸念から実に移っていくと中国株市場も長期低迷に入る可能性があるように思います。中国政府も、そうなる前に手を打ってくるでしょうから、すぐさま、日本のような状況になるとは思いませんが、覚悟は必要だと思います。
 商品相場から避難する資金、新興国株式市場から避難する資金はどこに向かうのか。
しばらく、商品相場、新興国株式市場から資金が出たり入ったりする時期が続くのだと思います。
出っぱなしではなく、安くなれば買いに戻ってくるの繰り返し。
 したがって、その割安な機会には対応できるもの。すなわち、いつでも換金が可能な流動性が高い対象が欠かせません。そういう意味では新興国株式よりも先進主要国株式、新興国通貨よりも主要国通貨のニーズはより高まると私は考えています。
 割高なものがさらに割高になっていく時期から割高だったものが本来あるべき水準を模索する時期に入ったのではないでしょうか。今は地味だけど、確かで割安なものをじっくり探して投資する時期だと思います。