昨日注目されていた日銀総裁の会見の内容を、私は総裁の言葉で、日銀のプライドを示したものだと思いました。

欧州での債務問題の再燃について、世界経済の大きなリスク要因になっていると述べ、追加金融緩和策を決めた前回会合(8月4日)時点よりも下振れリスクが幾分高まったと語り、米欧の問題が円高や金融不安を通じて日本経済に悪影響を与えないように注視していく姿勢を強調しました。
 スイスの中央銀行がスイスフランの上限を1ユーロ=1.2スイスフランとし、徹底的な為替介入を行っていくと宣言したのに比べ、今回の日銀の会見内容は物足りなく感じている人が多いようですが、私は「これまでも日銀は率先して、円高、雇用・投資に配慮した政策を行ってきた。欧米に比べて量的緩和不足だという批判は明らかに事実として反している」と日銀総裁が訴えたのは、菅前総理が繰り返した「私は十分役割を果たしてきた」と恥ずかしくもなく言い放った、あの言葉と一緒にしてしまうのは気の毒だと思います。
 政府や世論に追い立てられるように、量的緩和策等の対応を行うのではなく、日銀ができる選択肢はかなり少なくなってきていて厳しい状況にはあるが、やるときにはやるから見ていて欲しいという宣言なのだと受け止めました。
 もしここで「日銀は何も役割を果たしてないじゃないか」という評価のままで実行すれば、市場へのインパクトもなく、無駄玉になってしまう。「さすが日銀だ」と評価を受けるタイミングを探っているのだと私は期待しています。買いかぶりかも知れませんが・・・。逆に言えば、日銀にカリスマ性を持って対応してもらわないと市場に揺さぶられるだけの最悪の状況に追い込まれてしまいます。ここは踏ん張ってもらわなければなりません。
 いずれにしても、欧米問題はもはや先送りが許されないという危機感の共有が大分浸透しつつあるようです。短期的なもので終わってしまう可能性はありますが、確実に相場の節目を迎えようとしています。