前回の金融危機以降の個人向け社債については、早くから話題に取り上げ、積極的な案内をしていたのに、最近の個人向け社債にはノーコメントが続いているので、表題みたいな質問を受けることが続きました。答えは、正直、金利水準に関心がないからです。

 某銀行の劣後債の募集がありました。5年間は原則売却ができず、この間の利率は1%ちょっと。その後5年間は銀行の事情で途中償還できる特約がついているもの。つまり、最低5年は換金出来ず、最長で10年まで拘束される仕組みです。
これと変動金利型10年個人向け国債を比べてみて、どちらを選ぶかを検討してもらいたいと思います。
変動金利型10年個人向け国債は1年間は換金できませんが、その後はその前に受け取った1年分の利息を解約手数料で支払えば額面金額の買い取りは国が保証しています。そして、解約せず、保有し続ければ、おそらく、0.7%〜1%程度の利息は受け取る期待があります。
 現在はユーロ圏の先進主要国国債でさえ連鎖破綻が懸念され、株式は割安な水準であると誰もが認知する水準であるにもかかわらず買われないで放置されるほど、リスク資産への投資に慎重になっている異常事態の最中です。半年先、1年先さえも読みにくい時です。そんな環境の中で、特に重視すべきは、多少高いリターンを期待するよりも、いつでも現金に戻すことが出来る流動性、換金性が重要だと私は考えています。したがって、少なくとも5年拘束されてしまう資金の見合いとして、1%台の利息水準ではあまり興味がわかないのです。
 だったら、0.7%程度の変動金利型10年個人向け国債で構わないし、もし流動性リスクを取って劣後社債に投資するなら、配当利回りが高く、株価が大きく解散価値を割り込んでいる銀行株に直接投資して配当利回りプラスアルファーの値上がり利益を期待する方がよいと私は考えています。
 1年間資金を拘束されるなら、3年間資金が拘束されるなら5年間資金が拘束されるなら、どれくらいのリターンだったらよしとするのかを、自分なりに考えてみると良いと思います。私はとても1%程度の利息をもらったぐらいで、何年も拘束されるなんて納得がいきませんし、もったいないと思います。
「あんなにいい投資チャンスがあったのに」と後悔する可能性が高いからです。
現在は何よりも、流動性を意識して資産の配分を考えるときだと思います。