私が証券会社の新入社員だった頃に出会った人で、都心にいくつもアパートを持ち、不動産賃貸を生業にしている人がいました。その人はよく、「僕らの時代はラッキーだったんだよ。株を一株単位で、それも額面割れしている(株価50円以下)銘柄がゴロゴロあって、安い安いって買っていったら、株式全銘柄を持っていたこともあるんだよ。その株式で儲けて、空き地になっている土地や、そうそう、沼や池なんかも、今思えば、ただ同然の価値で手に入れることが出来たんだよ。僕らの時代は本当にラッキーだったんだよ」という話を聞いて、「へえー」って感心して聞いた覚えがあります。

 その人は「僕はラッキーだったんだよ」の一言で片付けていますが、当時、ただ同然と思われる株式や不動産をあえて買う人はあまりいない中で、その人は「こりゃ、安い」とコツコツ買い集めた見識があってこそなのだと思います。
 相場を活かす人も、相場を活かせなかった人も、同じ時期を過ごしているんですよね。チャンスは平等なのです。現在の水準は将来、「やはり安かったんだ」と私は振り返ることになると思います。