昨日の欧米の株式市場は、ユーロ危機の後退から当初大きく値上がりして始まり、「東京市場も株高が期待できるぞ」と楽しみに床についた人も多かったと思いますが、格付け会社S&Pが独、仏を含むユーロ圏15カ国を格下げ方向で見直すと発表したことで、欧米市場の値上がり分を飛ばし、日本市場もアジア市場も冴えない展開になりました。
 ユーロ危機を乗り切るのに期待される欧州金融安定基金(EFSF)はユーロ圏の格付け最上級格付けトリプルAの信用力を支えに資金調達をするわけですから、すべてを振り出しに戻す大変なことを格付け会社S&Pはのたまわったことになります。
 個人的には、「ドイツも含めて」という点に注目しました。今回のユーロ危機は、「もはやドイツさえも他人事ではいられないんですよ。ユーロ危機を長引かせることはドイツさえも大きな痛手を被ることになりますよ」とユーロの一体感を強く求めたメッセージなのではないかと思いました。
 「結局、今回も市場が期待する答えは期待できないのではないか」という事態からの進展を促すきっかけになれば、このS&Pのこの発表は市場関係者の中で印象深く残っていくイベントになるかもしれません。
 金利水準を参考にすれば、イタリア国債の10年利回りはついに6%を割り込み、スペイン国債は5%を割り込んで、一時の緊張高まったユーロ危機はだいぶ冷静に受け止められるようになってきました。