注目された欧州連合(EU)首脳会議では、ユーロ危機で追い詰められた国々がまず自ら健全への努力を惜しむべからずと、お金を握っているECB(欧州中央銀行)とドイツに最後通牒されて従うことになり、短期的に繕う対応の先送りは止むなしとしました。

 今後は、EU会議で何を決めたかではなく、EU会議後にユーロ圏諸国が中長期の対応として、具体的に今何をするか、したかが問われ、市場はそれに注目し、感じて一喜一憂する展開が予想されます。
 取り敢えずは、今後年末に向けて危機混乱を回避するために、政府・中央銀行一体で安心策を打ってくることが期待され、相場にはひとまずの落ち着きを取り戻すのではないでしょうか。
 今回のEU会議で注目したのは英国の孤立化が顕在したことです。これまでは、ドイツとフランス、ドイツと他のユーロ諸国というギクシャクとした構図が目を引いてきましたが、今後はユーロ圏といいとこ取りの関係を期待した英国に対して、「それは許さない」とするユーロ諸国との関係の行方が波乱要因になりそうです。
 ユーロあっての英国の価値。英国がユーロに対する発言力を失うことは大きく国益をそがれてしまう結果になりかねません。いずれにしても、今回見せた英国の孤立化の様相は、ポンド安ドル高に向かう要因ではないでしょうか。
 ユーロ危機の混乱に拍車をかけたのは政策が後手に回る政治力の弱さによるものですが、現在の何も決められない日本の状態でジャパン危機がまだ発生していないことを本当に幸運に思います。
多くを語らず、やるべきことを淡々と進めていくことを期待された野田政権も100日を経過しました。何を淡々と進めてきたのでしょうか。
 「まずは・・」と決めたことをしようともしない人たちを信用しろというのも無理な話です。
「公務員改革」と「議員定数削減」に取りかかるという言い出しっぺは野田総理でした。
「消費税引き上げの前に公務員改革と議員定数削減の道筋をつけるべきだ」と民主党の中から上がった、余りにもまともな声を聞き、思わず苦笑いしてしまいます。
 国家の財政破綻を懸念するよりも前に、議論が先に進みそうもない政治の方がよっぽど深刻です。