私が注目している投資対象は米国国債と米国株式です。この先、米国株式がさらに堅調に上昇し続け、米国10年国債利回りが上方に修正するようであれば、久々にリスク資産で値上がり益が期待できる相場展開になる可能性が高いと見ています。

 昨年の8月に米国国債の格付けが引き下げられました。本来であれば、米国国債は売られて利回りが上昇する場面でしたが、ユーロ危機が深刻化するにつれて、逆に米10年国債利回りは史上最低金利まで急低下しました。これは、ユーロ危機が収束するには相当時間がかかることを覚悟しなければならない。ユーロ資産からより安全な投資先を模索した結果、こんな低金利の水準でも、当面は米国国債が一番安全だと避難した結果だと言えます。
 そしてまもなく、大きく売られた米国株式が少しずつ値を切り上げて上昇し始めました。つまり、時間の経過により米国国債に加えて、リスク資産の一つである米国株式にも資金が向くようになった現れだと思います。だから米国株式の上昇は、リスク資産の値上がり益が期待できる相場が来るかどうかの判断の物差しとして有効だと考えています。
 個人的には、消去法の選択として、ユーロから逃げていく資金の受け皿は、欧州よりも金融システムが健全である米国、そして日本が中心になると思います。日本は2000年の初頭に土地バブルの崩壊を受けて、米国はリーマンショック後に、金融機関は不良債権の額を確定させ、必要な先には公的資金を注入して、今日に至っています。欧州の金融機関は、それをこれから始める周回遅れの状況にあります。おそらく欧州の金融機関は、お金の必要な先にお金を届けられない機能不全が高じて、欧州は数年にわたる景気停滞に入る可能性が高いと思います。
 したがって、より金融システムが安定した米国と日本の役割が注目される日が来るかもしれないと期待を込めて見ています。ただし、もしリスク資産で値上がり益が期待できる相場が来たとしても、どれほど長く続くかはわかりません。したがって投資のやり方としては長期投資は考えず、割安だと確信する対象が見つかったら投資し、あらかじめ決めた水準では利益を確定し、再度対象が割安になる場面を待つ。もし割安かどうかの判断に迷うなら投資を様子見る。こうしたスタンスを心がけた方がよいと思います。
 しかしもし、その優位な立場にある米国株式でさえも上昇が期待できない投資環境であれば、リスク資産で値上がり益が期待できる相場はこないとも予想しています。そうなれば、敢えてリスクを取って資産を減らすチャレンジをする必要もなく、当面しばらく、換金性・流動性の高い投資対象に身を置き、様子を見たほうがよいと考えています。
 いずれにしても今後の投資戦略を立てる上でも、米国株式の株価動向、そして米国国債の利回り推移の行方が参考になると思います。