厚生労働省は、様々な症状の患者を自ら診療するほか、専門的な処置が必要と判断すれば大病院に紹介する「医療の入り口」の役割を果たす「総合診療医」を育成する制度の検討に着手したと日経の報道にありました。

 患者との問診により、患者の気づかない部分にも目配りし、その場で解決する処方を出すのは勿論、その患者の症状に適した病院・医者を専門的な見地を持って紹介してくれる存在は、患者にとってはもちろんのこと、紹介を受ける病院や医者にとっても重宝です。患者が一から自分で探す面倒が小さくなりますし、病院・医者側も、総合医から自分の得意分野の患者をピンポイントで紹介を受けられるので、受け身ではなく、前向きな姿勢で患者と向き合う余裕、そして緊張感が出てくる効果も期待できます。
 本来、FP(ファイナンシャル・プランナー)はお金回りの総合診療医を目指しているわけですが、いろいろ不自由な立場になっています。相談者から投資・運用の話を持ちかけられても、「個別・具体的な助言までしてはいけない」という法律上の縛りがあり、そして「その個別具体的な助言というのはどこまでのものか」という範囲はFP自身の責任で行っているところが強く、「ここまではいいか」という踏み込んだ対応をする者あり、「触らぬ神にたたり無し」と投資の助言もどきは徹底して避けるという者ありが現状です。
 投資・運用は一人で継続していくことは難しいもの、ましてや、投資の成果で満足するものを残せる人はほんのわずかな人です。したがって、初心者、ベテラン問わず、身近にお金回りの相談が出来る人がいたほうがいいに決まっています。
 規制をかける側から言えば、「なんでこんな悪徳業者を野放しにしていたのか」と責められないように、できるだけ細かな役割を分担し、登録分けして、管理しやすい仕組みにしたいと考えるのは仕方ないとは思うのですが、そうすると立場を守りたい人は役割から引っ込み、「注意されたらやめればいい」という責任のない悪徳業者がグイグイと投資難民として悩んでいる人にアプローチをかけていく・・・、悪徳業者の行いが世に知れて・・・より規制が厳しくなる・・・・投資難民が増える・・・・悪徳業者のつけ込む余地が広がる・・・という悪循環に陥っているように思います。
 悪徳業者を増やさないように事前に規制を厳しくする・・・のではなく、悪徳業者は徹底的に摘発し、重罪に処する。なぜ悪徳業者が続けて出てくるのかを考えて対処することが大事なのだと思います。財務省なのか、金融庁なのか、わかりませんが、ぜひ「お金回りの総合診療医」としての役割を果たしたい人がなぜ役割が果たせないでいるのか、なにが障害になっているのかを、現場の段階から検討してもらいたいと願います。規制が行き過ぎた部分の見直しが必要な時期だと思います。
 FPの方には、どこまで投資の相談に乗ってもらえるのですか?
何度も、同じような質問を受けたことがあります。
いろいろなFPに相談した経験がある人ほど聞かれる質問です。
その言葉の裏には、FPに相談しても満足な答えが返ってきたことがない不満がありました。
どこに聞いても「FPはここまでしか投資について話すことができないんです」と、どこも自分の
聞きたい話の前で終わり、どこで聞いても同じ話の内容で終わり。
「あそこのFPの話は非常に役に立った」という相談者の声がFPの質を高める力になります。
残念なことに、今は「本来はここまで突っ込んだ話をFPの立場ではしちゃいけない内容かも知れませんが・・・」と回りをはばかって、その人が最も聞きたい内容のさわりの話しかできない。
これは非常に不自然なことだと思います。