何かを決めるときには必ず文句を言う人があり、満場一致で誰もが納得する結果はまずありません。阿部新政権がどのような顔ぶれになるのかと注目されていますが、小泉首相の後久々に人事に期待がかかっていますから、その後の失望から発生するブーイングはかなりのものになるのではないでしょうか。そのブーイングも政治家だけにとどまらず、事の次第をじっと見つめている国民のものもあるでしょう。
 何をしても褒められないのであれば、「私はこれをやりたくて、この一人ひとりを選びました」というモノサシを指し示し「方針・方向にずれがあれば指摘をしてくれ」と、スタートの人事をとやかく言うのではなく、その後何をしたかを厳しく追求してくれと阿部さんには啖呵を切ってもらいたいと願っています。
 昨日米国の政策金利を2ヶ月連続変更しなかったFRBが「何故利上げに踏み切らなかったのか」と一部から非難されています。上げたら上げたで、相当非難されたと思います。政策を結果論で評価される側と、「言うはただ」と無責任な評論家とでは気楽さがぜんぜん違います。そこで大事なことは、軸・主張にブレがないことではないでしょうか。ブレがなければ、「これまで通りだ」、「少しニュアンスが違うぞ」、「方針転換したのか」という判断ができます。そのとき、そのとき、立場、立場で、意見や主張を変える人ほどあてにならないものはありません。そういう意味では、「景気に配慮しながらインフレも警戒する」FRBの方向は今回も変化はなかったと思います。阿部新政権はどういう柱を示してくれるのでしょうか。
 米国景気減速懸念の広がりから、ついに米国長期金利は4.6%台に低下し、1ドル=116円前半までの円高に振れました。高い金利と円高を両方享受することは難しいことですから、とりあえず円高に振れた場面では為替をまず押さえ、金利上昇を待つ戦略でいたいと私は考えています。