昨年から「やるぞ、やるぞ」と言っていた米格付け会社S&Pは13日にフランス、イタリア、スペインなど9カ国の国債格付けを引き下げました。フランス、オーストリアがトリプルAではなくなったため、ユーロ危機対応の財源として期待される欧州金融安定基金(EFSF)が縮減されるので、欧州株式は売られ、一時、1ユーロ=97円20銭までユーロ安が進みました。

 今回のS&Pの引き下げは、一時的な波乱材料ではありますが、「いつか引き下げがあるのでは・・」とS&Pの顔色をうかがって懸念する必要がなくなり、相場の頭を押さえる材料がひとつ消えたと考えれば良い材料だと思います。S&Pも振り上げた拳を下ろす時期を探っていて、最近の債務問題国国債入札が好調だったというムードを受けて、「今逃したら・・・」という気持ちで行い、体面を保ったのではないでしょうか。
 報道にもありましたが、米国のリーマンショック、ユーロ危機と続き、先進主要国の財政が弱体化した現実の中で、最上級格付けトリプルAの格付けを残すために、格付け会社を威圧してけん制すること自体に意味はなく、対策の実行、そして結果の検証の繰り返しが大事なのだと思います。そういう意味では、これまでユーロ危機対策のために整えてきた大枠が実際機能を果たすものになっていくのかに関心が移ったと言えます。今回の格下げは暗雲晴らす良い材料、ユーロ危機への対応を一歩進めるきっかけになると私は期待しています。