本日の一面ニュースは、金融庁が投資信託法を改正して、毎月分配型投信の分配金の原資を純粋な運用益に限定する規制を検討するという記事でした。分配金を多く出すために、リスクの高いデリバティブの手法を利用したものが多いことも問題視しています。

 毎月150円、200円の分配金を出す投資信託が珍しくなくなった現状の異常さを問う声は当初からありました。基準価額1万円に対して、毎月150円、年間1800円(年当たり18%のリターン)を支払ったうえで、基準価額の1万円を確保することは「この投資対象、この運用内容では無理じゃない」という投資家の声を運用会社が無視し続けてきた結果の規制話です。
 ある意味仕方ない話しだとも思いますが、今回の規制は本当に投資家保護に寄与するのでしょうか?臭いものに蓋をする行為ではないでしょうか?
 そもそも投資信託は、投資家が自分に出来ないこと、自分ではやれないことを人にまかせる手段です。その代わりを行う運用会社には運用方針があり、特に分配金が期待された投信であれば、基準価額の上昇と安定した分配金の支払いが命題であり、その期待に応える前提で分配金額を運用会社の裁量により決めるものです。
 したがって、分配金を期待する投資家は基準価額の上昇と安定した分配金が享受できれば、運用会社がどんな運用手法を用い、いくらの分配金に設定しようが文句を言う必要はありません。
問われなければならないのは、過大な分配金を設定し、元本の取り崩しにより基準価額を大きく下げてしまった結果です。
 基準価額の上昇と安定した分配金の支払いが可能だと見込んで設定した分配金額を見誤っていたことを明確に投資家に対して謝る、謝罪べきです。
 たとえば、「私の見込み違いの分配金の設定により、元本を大きく取り崩すことになりました。誠にプロとして恥ずかしい見当違いを行い、深く反省しています。次回はこのようなことがないように、プロの見地・見識を持って行いますので、お許しください」という具合に。
 毎月、投資家向けのレポートで、基準価額を大きく下げて、分配金を支払う投信の運用会社には「なぜ今回あえて、この分配金額の設定をしたのか」を釈明させるのです。
「この投信はレポートで1年のうち8カ月も見当違いを認めています」なんて、言われてしまうでしょう。さすがに、毎月のように「今回は遺憾ながら・・・」と謝るような分配金額の設定を避け見直すようになるでしょう。
 中には、「今月の基準価額の下げは、一時的な相場の急落があり影響を受けましたが、当社では早期の回復を見込んでおり、基準価額の安定成長には問題ないものと考え、引き続き分配金額を変えずに継続しました」という時もあるでしょう。
 それはプロの判断でそうした結果なので、次の月に出てくる運用会社のコメントに注目しましょう。結果、改善が見られないようであれば、思いっきり謝ってもらいます。
 投資信託は使い方により、初心者にも投資のプロにも、重宝な投資手段となる奥の深い金融商品です。あまりに規制が厳しくなると、人にまかせる意味がない程度の低い、つまらない投資信託ばかりになってしまいます。プロとしての尊厳を持ち、自由に動ける場が提供されていて、その代わり、プロとしての能力・結果責任が問われてしまう環境の整備が大事なのだと思います。
 運用会社から「結果責任を問われるのは仕方ないけど、運用のやり方まで素人にとやかく言われたくない」という声が上がるぐらいのプロ意識をガツンと聞かせてもらいたい。無いのは残念、さびしく思います。