私は金融商品を案内する側の人間は、たとえ、その販売する金融商品が優れているものだと思っていても、それに不満を持つ人がいて、何に不満を持っているのかに謙虚な気持ちで受け止め、配慮した説明を心がけるべきだと常々思っています。

 資産形成層には、時間を分散して、しかも銀行引き落としで積立投資を行う方法は非常に有益だと思いますし、インデックス型投信で分散投資を行う方法は知っていて損のない方法だと思います。
 しかし、だからと言って、値動きのあるものに投資するのに、ただ、「積立投資の継続をすればいい」とか「分散投資をしてれば心配ない」とか、余りにも、ドルコスト平均法の効果や分散投資の効果を勝利の方程式のごとく、言い放って、金融商品を勧めている人たちに対して、「あなた、そんな無責任なことを言っていいのか」と感じています。
 多くの人は、投資を継続していれば、「積立投資を続けているけど、いっこうに儲からない」とか、「何故、分散投資をしていたのに損をするのか」とか、不満や不安に思う時期があるはずです。
それに対して、ただ「継続は力なり。長く続けていれば、積立投資は儲かる成果が出ますし、分散投資を信じて続けてください」と言葉をかけられても、今、損を抱えて悩んでいる人の不安や不満は収まるわけがありません。
 「買った時よりも下がれば、もっと割安な状態でたくさん買えると喜びましょう」とドルコスト平均法の効果を伝えるなら、買った時よりも上がった時には、「買った時よりも上がっていれば、まだ上がるのかと不安になりますね。
 上がって下がり始めれば、まだ下がるのかと不安になりますね。積立投資で大事なことは継続することです。
 大きく損をして、投資する気持ちが失せてしまうのが一番残念なことです。気持ちに迷いができたら、積立額を減らして様子を見るのもいいですね」と、困っている人にとっては不安に対する対応の例示が有難いはずなのに、積立投資を行えば、必ず誰もが不安になる点を配慮せず、「積立投資は放っておくだけでいい、楽ちんな投資方法です」と言い捨てて終わりでは、救われない投資家が多く取り残されてしまうと思います。
 放って置いても儲かる投資方法が結果、あったとしても、それは「大きな損をする時があっても、いずれは戻る」と投資経験を積み、鍛錬ができた人でないと自分のものにはできません。
 普通、一般の人が大きく値上がり益を狙う投資をする時は、割高な場面(先の展開が読めない場面)では積極的な投資を控え、大きな損をしないようにリスク商品を少なくし、割安と確信する対象が見つかるまで様子を見るなど、メリハリをつける手入れが必要です。
 どこが割高か、割安なのかなんて判断は私にはできないという人・・・
そういう人が、大きく儲けようとする対象に取り組むこと自体が無謀な行為です。
「今は買いです」「今は売りです」と相手に委ねるしかない投資で成果が上がると思いますか?
自分で割高、割安の判断ができる自信があるものを見つけてから、投資を始めればいいのだと思います。
 投資は自分に合わないものに自分を合わせようとすると、窮屈でつらいものになります。「やってみないとわからないじゃないか」と始めた投資で、ハッピーになった人は知りません。
 投資には選択肢が多くあります。探せば、自分に合ったスタイルが見つかるはずです。人に合わせて行う投資は、最後までどこに向かうのか分からなく、不安になってしまいます。