値上がり益、そして値上がり益と、キャピタルゲイン投資を繰り返し続けていけば、いずれは高値をつかまされて大きな損を抱えることになりやすい。そのため、キャピタルゲイン投資に行き詰まりを感じたら、キャピタルゲイン投資からインカムゲイン目的の投資スタイルにシフトしていく検討が必要になります。インカムゲイン投資の知っていて損のない投資が「外債投資」だと私は考えています。

 為替リスクは、長期で保有することで時間を味方につけ、いずれ為替リスクをプラスに変えて、円安を楽しめる資産を確保することができるという考え方が前提です。
 よく外債投資は機関投資家が購入する価格や売却する価格に比べて、個人は不当に割高な価格で押し付けられて外債投資は妙味がないという人がいます。それは、その通りのところもありますが、かといって外債投資を除いてしまって、「ゼロ金利では我慢ならない」「円資産では不安」という人のニーズに応える他の金融商品が見つかるでしょうか?こうした不安に対する準備をあきらめてしまって良いのでしょうか?
 そこで私は、割高な外債のデメリットを気にならなくするには「どうしたら良いか」に注目しました。割高な理由は「途中で売ると売りたたかれてソンしてしまう」からであり、償還満期まで持てば、機関投資家が購入した債券も個人が購入した債券も同じ現金に戻り不利がなくなることに着目し、償還まで保有できる債券、償還した外貨現金をそのまま容易に同通貨建ての債券に乗り換えて投資し続けることが可能な債券を案内してきました。通常なら、米ドル、ユーロ、豪ドル建てであれば、この投資方法は可能でした。
 ところが、現在の投資環境は通常ではなく、異常事態です。あのグロソブでさえ、ポルトガル国債を売り、ギリシャ国債を売り、スペイン国債、イタリア国債を売り、フランス国債やベルギー国債までもリスクを嫌い、売却してしまいました。あの債券運用で有名なピムコは、後に敗北宣言をしましたが、一時米国国債を全額売却しました。このように、通常であれば、「買って償還まで持てばいい」と考えられた債券でさえ、途中で売却する判断が必要な投資環境にある異常事態の真っ只中にいます。
 ということは、途中売却でコストが高くなるデメリットがある外債直接投資は不利になるということです。加えて、個人が買える品揃えを見ると、非常に低金利で割高になってしまった高格付け銘柄か、機関投資家がリスクで持てなくなった銘柄しかなく、投資を検討する魅力があるものがほとんど見当たりません。
 したがって、この異常事態で外債投資を検討するなら、外債に直接投資するのではなく、信託報酬に見合うリターンとのバランスが取れている外債型投信の検討を勧めます。外債型投信であれば、個人で行うよりも有利なコストで途中売買することが期待できます。
 ずっと外債投資を見つめてきた人間として、直接投資よりも外債型投信のほうが個人にとって好ましいと勧める機会はこれまでにありませんでした。現在は本当に異常事態にあると思います。
 この辺の内容についても、今月23,24日のセミナーではお話ししようと思います。