日経新聞社が「ニッポン金融力会議」を発足させ、金融復活への道筋を討論するとのこと。初回のシンポジウムは三菱東京UFJ銀行頭取、三井住友銀行頭取、みずほフィナンシャルグループ社長、野村ホールディングスCEO、大和証券グループ本社社長といったトップが招かれるそうです。

 10年前は、それでもまだ、「うちの担当者はよくやってくれているよ」という話しをたまに聞くことがありましたが、最近は、とんと聞くことがなくなりました。
「自分の都合で声をかけてくるだけでフォロー無し」
「言葉は丁寧だけど、親しみにくい」
「常にズケズケ入って来て、デリカシーがない」
「説明を聞くと、余計分からなくなる」

 地域に密着し、自分の顧客を守るために工夫している地方金融機関の努力を認める人はいますが、いわゆるメガ金融機関の信頼はかなり深刻な状態まで追い込まれています。にもかかわらず、やることは、中小金融機関と同じように、投資家が入って来やすいように規制のバーを下げて、コスト競争に明け暮れるだけ。
 この間まで、ピカピカのメガ金融機関であったはずのところが立ち往生し、どんどん体力を失っている。

 「うちは他よりもこんなにコストが安いですよ」を売り物にしているサービスは、「同じやるならコストが安い方が良いでしょう」と、自分のサービスは誰でもできる低級なサービスだとアピールしているのに等しい。そんなサービスしか、ラインナップにない金融機関なんて、顧客から当てにされる存在になれるはずがありません。

 メガ金融機関しかできないことは、コストをかけても質の高いサービスの提供。それは立派なブースを作って富裕層を呼び入れる器を作るだけではなく、顧客から「こんな助言をもらえてありがたい。自分で考えていたら、こんな選択肢は思い浮かばなかった」と感謝されるような顧客と現場で向き合う対面能力を高める環境の整備です。金融機関側にある課題の解決です。

 見習うべき先輩、同僚が現場にいなければ、次が育つわけがありません。顧客と向き合う現場の育成を現場任せにして、放ったらかしにしてきた経営を改め、「顧客が何に失望し、何を期待しているのか」の原点に戻った改革が必要だと思います。このままでは、ジリ貧ではすみません。