ドラギECB総裁が、ユーロ圏に支援を申請する条件で、申し入れた国の国債を無制限に市場から購入することを約束しました。その合意内容が伝わった途端に、一時、7%を超えていたスペイン10年国債利回りは一気に5.5%台まで急低下しました。スペイン国債利回りの急低下を受けて、申請する側のスペインの危機感が緩み、スペインは申請を先送りするのではないかという見方もあります。


 私は、そうは思いません。「スペインからの申請があればユーロ危機は後退するかも」という期待で、これだけ市場が楽観に振り切れるということは、逆に、市場の期待に応えず、先送りの素振りを見せた途端に、今度は7%を大きく超えて破たんに追いやられてしまうかも知れない危うさを抱えている証明だとも言えます。


 したがって、スペインがユーロ圏に支援を要請するのは必然であり、おそらく、現在はその気がないようですが、スペインの危機が落ち着いたら、最終的にはイタリアの支援要請まで強いられて、ユーロ危機脱却の見通しが立ってくるのではないでしょうか。

 今後はユーロ危機脱却に向けての道筋がだんだんと見えてくる、相場には少しずつ安心感が戻ってくる展開を期待し、楽しみにしています。


 米国や中国など新興国経済に陰りが出てきたのは、ユーロ経済の停滞に先が見えなくなり、消費意欲が低迷したことが原因です。ユーロ危機に明るさが見えてくれば、持ち直してくるでしょう。すべては、ユーロ危機脱却に向けての動き次第と言えます。


 今週の12日、13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)にQE3の期待がかかっていますが、もしなければ、期待された分のはがれはあるかもしてませんが、長引くものにはならないと考えます。FRBは一貫して、「必要とあれば躊躇なく行う準備はできている」としているので、行わなくても、将来のセーフティネットとして支えになるので悪い話にはなりません。ただし、FRBとして、大統領選で動きづらいこと、現在は反対が多かったQE3に対して抵抗感が薄れていること、今回のドラギ総裁の行動直後で政策のサプライズが期待できることを踏まえて、QE3までは踏み切らないまでも、FRBとしての主張を行う可能性もあると思います。

 やる、やらないのいずれの結果であったとしても、この9月は悲観の見方が転換していく機会になる可能性が高いと思います。リスクを取ってきた方は、良いイメージを作り、そう現実になった時にどうするかを考え、準備しておきましょう。