不思議ですが、損をしてあれだけ毛嫌いをしていた投資に対する気持ちが損が少なくなるにつれて、「何でもっと早く気づかなかったのか」と投資の再開に出遅れた自分を責めて焦ってしまいます。
 私は経験から「早く売却して、その後取れたかもしれない値上がり益を悔やむ気持ち」や「投資しなかったことによる得られたかもしれない利益を惜しむ気持ち」は、判断を狂わす投資を行ううえで最大の敵だと考えています。チャンスはこれからいくらでもあるわけですし、何よりも、そうしたことで実際受けた損はないのですから。
 しかし、この「悔やむ気持ち」、「惜しむ気持ち」は投資に焦りや不安を呼び込んで、「何であんなところで買ってしまったのか」、「何であそこで売るのを躊躇したのか」、「何でこんなものを買ってしまったか」につながります。これは実損、それも大きな損につながることが多いんです。
 大手生命保険会社が地価の底入れで含み損が解消していき、不動産投資に再び意欲を燃やしているそうです。生保38社の2005年度末の不動産資産残高は6兆8340億円、10年前よりも約3兆円減ったそうです。そして、ここ10年で計上した不動産売却損は合計2兆3000億円。日本生命が「ファンドやREITと競合して欲しくても買えない」と不動産市況が過熱している状況を伝えています。みなさんはどうお考えですか?
 そんなに買いたい人が多く盛り上がっているなら、これから投資に参加するよりも、割高で売却して利益を確保し、再び割安になる場面をじっと待てばいいと思いませんか。
 先日、虫食いで駐車場にも使えない小土地やビルの間に挟まって野ざらし状態になった廃屋を見て、「不動産に限らず、持つことが目的であれば別だけど、値段次第では手放すことも考えているものであれば、人が欲しいと言ってきたときが決断のときだよ。こちらが売りたいときには興味を持ってくれる人はいないのだから」と、そばに居た娘に話をしました。「そう」と娘の感想は素っ気無いものでした。