「上に跳ねるかも」と考えていたスペイン10年国債利回りは、投資適格ギリギリBBB-に格下げが発表された後も低下基調で、3カ月前に7.62%をつけた危機的状況から現在は5.34%まで低下し、水準は6%よりも5%を目指しそうな落ち着きを見せてきました。

 21日のスペイン地方選の選挙結果を心配する声もあまり聞こえなくなり、ユーロ危機脱却に向けて、「確実な一歩一歩が今後どんなスピード感を持って実行されていくか」と不安よりも期待が先行してきたかのように見えます。

 外国人投資家の買い、個人投資家の買いが少しずつ戻り始め、日経平均株価もやっと9000円程度まで回復。「もしかしたら円安??」と投資環境の景色も、これまた少しずつですが、変わってきました。今後、さらなる金融緩和策の発動が期待される日銀の発表や欧州危機の後退気運の高まりなど、悪い話ばかりだったところから少しずつ先が期待できそうな話が増えてきたのは喜ばしいことです。

 こういうときはどうしても動きの良いものに目が向きがちですが、動きが良いものは「これから買う対象」ではなく、リスクを取って持っていた人が「売る検討が必要な対象」だと思います。

 一方で、「大分、円安になりましたね。これからでは遅いですか?」という質問を受けることが増えてきました。個人的には、当面、為替は大きく円安になることもなければ、逆に大きな円高も期待できないと考えています。

 現在の水準は、「底値ではないけど、円高への転換を覚悟して臨まなくてはならない行き過ぎた円安水準には十分距離がある、相対的な円高水準にある」と思います。この水準で外貨資産を新規に持つことを躊躇する方は、株式投資やリート投資などキャピタルゲイン目的の投資にはより慎重になったほうが良いでしょう。

 これまで突然の政治リスクで投資環境がかき乱されたことが何度もあり、今後も覚悟が必要です。「この程度でよし」と思えたら、早めに利益確定を行うスタンスぐらいがちょうどよい感じですね。