残念ながら、私は元々、昨日の日銀金融緩和策の内容がどんな内容であったとしても、投資見通しが好転するきっかけになるとは考えていませんでした。昨日の金融決定会合では追加の金融緩和策が表明されるのはすでに織り込まれていましたし、実際、内容の発表があった場合に、そのことで「国内の景気にどんな効果をもたらすのか」「世界の景気に前向きなインパクトが期待できるのか」を考えると、大きな変化の起点になるとは思えないからです。

 米国景気はまだら模様ではありますが、今後を期待できる景気指標に良い数字がすでに出始めていましたので、米国のQE3がその動きを後押しすれば、「米国景気の好調→世界景気の下支え」が期待できます。ユーロで無制限の国債買付の宣言は、問題債務国のデフォルト懸念の広がりを抑え、金融の目詰まりを起こしている金融機関不信を解くきっかけとなり、それは、すぐさま、「ユーロ危機の後退→世界景気に対する安堵感」に結びつきます。

 それに比べると、日銀の金融緩和には夢の広がりがないのが非常に残念です。有識者のコメントにもありましたが、いつまでたっても、いつまで待っても、日本からの発信に「日本はいかにして成長していくのか」の戦略、工程表がまったくなく、「こんなふうになりたいなあ」という個人のつぶやき程度の話ししか聞こえてこないからです。

 「自分たちの利害に関わる事案を当事者に決めろっていっても無理」と政治家や官僚の仕事のやったフリがいつまで続くのか。いつまで放ってみている余裕があるのか。