金融機関の担当者への不満で、よく聞くのは「買う時は一生懸命、しつこく勧めてきたけど、売り時だと言ってくれない」というものがあります。

 しかし、買うよりも売りの判断は難しく、ましてや、第三者が売りを助言するのは勇気がいります。売った後に値上がりするのが常であり、
(天井で売るなんて無理な話だから)  助言した後にトラブルになることを避けたいからです。

 だから金融機関の担当者から売りを勧められるのは、売り時ではなく、「買ってもらいたいものが出てきた時」がほとんどです。

 私は独立してから、「割高であれば、売りの検討を勧め、大きな損を回避する」助言を心がけるようにしてきました。しかし、これは私のビジネス上では決してプラスの行為にはなっておらず、むしろ評判を落とすことが多かったように思います。

 何故なら、大抵の相談は、「だいぶ高くはなってきたけど、今からでも遅くないか?」とほとんど買う気になっていて、「まだ大丈夫ですよ」と背中を押してもらいたくて来ます。その気持ちをくじくわけですから、上昇相場の時に弱気を言う奴のところに相談はこなくなります。

 そして、助言通り、売却した人はしばらく憂うつになることが多いです。先ほども申し上げましたが、「天井で売る」ことは偶然でしかありませんので、その人はしばらく、「もう少し待てば良かった」と自分を責める時期が続きます。最悪は、私に黙って、他でもう一度高い水準で投資してしまう人もいます。この人は、私に黙って買い付けたわけですから、その後、急落しても私に相談しづらくなるわけです。

 悲喜こもごも、「売りの検討」「買いを留める」助言は難しいですが、投資で大きな損せずに継続するには、こうした第三の助言はありがたいはずと私は経験上を強く感じているところです。

 「売りの検討」や「買いを留める」助言にくさらず懲りずに、是非、クライアントの皆様は今後もお付き合いください。