昨日、朝倉さんの講演を聴きました。その中で、①国内の投資信託の購入手数料、信託報酬は米国と比較して高い、②インデックス投信やETFは、販売金融機関が手数料が低くて売る気にならないから残高が増えず、残高が増えないから流動性を欠き魅力的でない金融商品になってしまった、③資産運用でお勧めのツールは流動性が高く、手数料が低い海外のETFで自分なりのポートフォリオを作るのがいい、という話がありました。

 それでは、米国並みに購入手数料や信託報酬を下げると、投資家の資産運用にとって何か変化が期待できるのでしょうか?手数料が低いことを売り物にしているインターネット専業証券会社が、投資家ニーズの受け皿として、なぜ広がりが出てこないのでしょうか?

 おそらく、今の現状で、株式の信用取引のように投資信託の手数料が大きく下がってしまえば、インデックスやETFが売れないばかりではなく、国内の投信を売る気は失せ、買い方が減り、そして売れないなら設定はしない、工夫もしない・・・投信は放ったらかしとなり、国内の投資家人口はますます減り続けて、一方で、怪しげな投資話でだまされてしまう被害者が増えるのではないかと懸念します。「証券会社の社員は株式売ってるのう?」が「投信ってまだ売っていたっけ?」になってしまう事態は、投資家にとっても不幸な結果だと私は思います。

 問題にすべきは、販売手数料に見合った仕事をしていない金融機関や担当者にも一律に手数料を支払っているという投資家の不満をいかに解消するかではないでしょうか?
「あなたは投信を販売する際に、どの程度の手数料を受け取れる仕事をしていますか?」と自己申告させたら良いでしょう。インターネット専業証券会社並ならその程度、それ以下なら手数料無し。

 投資家へのサービス・情報提供の対価が手数料なのですから、「何をしてくれるのか。何ができないのか」を販売金融機関側は明確に示して堂々と手数料を求めたら良いのです。現状では、ほとんどの金融機関、担当者は事務手数料程度しか請求できない仕事ぶりだとは思いますが・・・

 それから、インデックスファンドやETF、海外ETFは手数料が安いから売れないのでしょうか?私はそれだけではないと思います。投資初心者に対してインデックスファンドやETF、海外ETFを組み合わせてポートフォリオを作ること、または担当者がそれを勧めることが非常に面倒な作業だからだと思います。
 また投資は一生懸命ポートフォリオを考えて分散投資をしたら、それでおしまいではなく、その後の手入れが重要です。しかし大抵の人は、投資をしたは良いけど、その後動かすタイミングがわからず持ちっぱなしです。「安く買って高く売る」の「売り」を経験したことがなく、資産を塩漬けにしているだけの人も多いです。

 投資信託という金融商品を有効に利用するのに、大事なことはコストを下げて、投資家の敷居を低くしてあげる競争に血道をあげるだけではなく、投資家が投資を継続するためのサポートを行うのに何が足りないのかを販売金融機関は考えるべきです。いまだに、努力・工夫しているようには見えません。

 またこんな事を書くと、多くの人から「金融機関の担当者に、そんなことを期待するのは無理」とおしかりを受けると思いますが・・・