イタリア総選挙で、反緊縮、ベルルスコーニ元首相を支持したイタリア国民の判断に対して、市場は「本当にその道に戻ってもいいのか。イタリア危機の可能性を受け入れる覚悟はあるのか」と突きつける展開に入るような気がします。

 4.1%まで低下して落ち着いていたイタリア10年国債利回りは昨日は4.93%まで上昇し、5%台をうかがう動きに、イタリア株式市場は金融関連株を主体に大きく値を下げています。市場は、今後の反緊縮、不安定な政治の放置に対して、NOを突きつけてます。

 ユーロ危機が深刻化した時と現在の投資環境とでは異なる点があります。今回の株安・ユーロ安はイタリア固有のものであること、米国や日本に経済成長のエンジンとして期待があり、資金が逃げ込む受け皿が用意されていることだと思います。ユーロ危機が深刻化した時は、ユーロはもちろん、米国も日本も新興国も同時に病んでいて、八方ふさがりの危機的な状況でしたが、投資環境に光がある点が大きな違いです。

 逆に言えば、イタリアはここで国内のゴタゴタを長引かせると、金利上昇と株安、投資資金の流出で再び窮地に追い込まれ、自らの行いで、さらに厳しい緊縮策へと追い込んでしまう結果になりかねません。そういう意味では、ここでイタリアの混乱に拍車をかけてしまうことはイタリア自身の本意ではなく、大人の解決が図れるのではないかと期待しています。

 個人的には、日本株式市場の更なる上昇には慎重な見方をしていますが、こうした環境が消去法で日本株への外人買い需要を高めるものと考えます。相場の天井をあてることはできませんが、現在が天井であるとは思えません。したがって、円安基調がサポートされる環境も続くと思います。