デフレ脱却ができなかったのは日本銀行の無為無策、白川総裁の力不足によるものと手厳しい評価をする人もいますが、私は2008年4月に就任して、金融危機、ユーロ危機と間違いの許されない危機対応が求められる中、日銀総裁が白川総裁であってくれて本当に良かったと思います。

 もしあの危機対応時に、白川総裁に信念がなく、政治家の保身と責任逃れから出てくる無責任な発言にいちいち反応する人であったら、どんな日本になっていたかとゾッとします。日本は米国やユーロとは異なり当事国ではありませんでしたが、米国やユーロと連携して、世界の危機に対しては日本としての対応が間違えずに済んだのは白川氏の存在があったからこそだと思いました。

 ただし日本国内では、余りにも、国内の政治が何もしない状態が続いていたので、日銀としてできることが限られてしまった不自由さがありました。

 今回のアベノミクス相場の活況を生んだ功労者は、安倍氏ではなく、自分たちの選挙ばかりを考えていたずらに時間を引き延ばそうとする民主党議員を抑えて、解散に踏み切る英断をした野田さんだと思います。そういう野田さんからの後、政権党になった安倍自民党は、民主党政権を反面教師として危機感を持った対応にならざるを得ず、その危機感が変革への期待を高めたのだと思います。

 おかしなもので、民主党政権の総理の名を「鳩山、菅、野田さん」と呼ぶ人が多いですね。やはり、さんづけで呼ばれるのは野田「さん」しかいません。沖縄問題、東北の復興が遅々として進まなかったのは「鳩山・菅」時代の政治が無為無策で、政治家の力不足が目立った最悪な時だったのではないでしょうか。

 そこから見れば、現在から先行きに希望が見えてきました。「日本の経済回復・成長は世界の景気回復・成長に寄与するもの」と世界が期待するようなムードに変われば、高値警戒感なんて吹き飛ばしてしまうのだと思います。