連日、日経新聞の記事では新興国からマネーが流出して新興国株式が大きく値下がりしている、そして今後もマネーの流出が続くかも・・・と報道しています。新興国でも全部が土砂降りになっているわけではなく、濃淡があることも伝えています。

 先日、このタイミングでエコノミストに「新興国債券、とくにブラジルレアルに投資妙味あり」という記事を寄稿したと書きました。訂正があります。記事掲載は8月26日号ではなく9月3日号でありました。すいません。

 何度も繰り返す話しですが、私が勧めているのは「新興国株式」ではなく「新興国債券」です。新興国株式への投資に関しては、現在も関心がありません。
そして外債投資に取り組むタイミングは、円高の時であり、金利が高い時のほうが好ましいのは当たり前です。外債投資を行う前提は、デフォルトの可能性がある債券には投資しないこと、円高の時は外貨のままで保有し円安になるのを悠然と待てる条件が必要です。

 ブラジルレアル建ての5年国債利回りでさえも11%程度の高利回りで、しかも1ブラジルレアルは昨年末の水準である41円前後まで円高に振れた状況にあります。新興国なのですから、時折、カントリーリスクで大きく振れることはあります。もしブラジルの国債がここ5年程度で破たんを迎えるかもしれないと考える投資家には当然すすめませんが、おそらく、少なくとも5年程度でブラジルが破たんするような事態は起こらないだろうという投資家であれば、金利が上昇すること、為替が円高・通貨安に振れて、より条件が良くなったことを投資のチャンスとして検討すべきときではないかという提言です。

 私は2008年に「いま債券投資が面白い!」という本を書きましたが、その当時は、外債投資の主体はリスクを負わず、米ドル、ユーロ、豪ドルといった流動性の高く、いつでも円の現金に戻せる通貨の債券でした。しかし、その後は、あまりに日米独の国債が低金利になりすぎて、確かに安全資産だけど、金利上昇リスクを抱えたリスク資産に変質してしまってからは、新興国債券に関心を移してきました。それほど、新興国債券は相対的に割安な対象になったと考えています。

 ただし私が勧めるのは、外債型投信を通じて新興国債券に投資する方法です。直接、ブラジルレアル建てブラジル国債に投資する方法ではありません。信託報酬を余計に払ってでも、換金性に優れている投信の形で投資するほうが安心できるからです。

 そろそろ、最悪の事態を織り込む程度に騒いだのではないでしょうか。