投資信託がうさんくさく見えるのは、分配金の根拠が明確ではなく、運用の利益以上に高い分配金を設定して、あげくのはてに分配金を引き下げ、評価を落とし、忘れ去れていく投資信託が存在するからです。

 本来、分配金額は運用会社が長期、安定して投資家に分配金を支払っても、投資家の元本を大きく割り込むことはないだろう数字を決めているはずです。あーそれなのに、それなのに。
基準価額はいっこうに上昇することもなく、だらだらと下げ続けて1万円だった基準価額が3割も下の水準になってしまうこともしばしば。

 これはすべからく、基準価額の1万円を維持しようと分配金額の設定を決めていないから。それは実際分配金の多さの違いにより、即、投資信託の売れ行きに違いが出てくる現実があるからでもあります。

「今度の新しい投資信託では、●●円の分配金が期待できる、できそう」という担当者と投資家の間での話し合いがあるからです。
 そのため、分配金の引き下げた投資信託は悪い投信というレッテルを貼られ、それよりも多い分配金を出し続ける投資信託は良い投信として乗り換えを勧められ、その投資信託もいずれ分配金を引き下げることになり、また新しい投資信託への乗り換えを勧める。

 そこで「投信での手数料稼ぎはいけない行為だ」と金融庁は金融機関にプレッシャーをかけ、かんじがらめにし、投信販売の手続きで余計な注意喚起とチェックが増えて、販売する側も、投資家もますます面倒になり、時間が取られるようになる。特に運用会社は売ってもらいたい弱みがあり、自分も作業に大変なのに、金融機関の仕事まで押しつけられてやらなければならないので、運用どころではなくなる。本末転倒の悪循環は止まらない。

 この悪循環を本当に止めたいのであれば、分配金を決める役目を運用会社ではなく、受け取りたい側の投資家に決めさせればいい。運用会社は運用に専念して欲しい。どう考えても、「この投信からは毎月の分配金は20円ぐらいしか求められないだろう」とわかっていて、100円の分配金を求めれば基準価額が下がるのは納得ずくであり、文句は言えない。
 そうすると20円の分配金しか期待できない投資対象ではなく、100円の分配金を期待できる投資対象にリスクを取ってでも乗り換える意味があるかを投資家は販売側と検討することが必要になる。

 一部の証券会社には、「定時引き出しサービス」という分配金ににた仕組みのサービスがすでにある。投資信託の不当な乗り換え、タコ足配当撲滅を目指すなら、下手な規制をやたらにかけて現場の作業を増やすのではなく、即時、どの投資信託にも「定時引き出しサービス」を利用できるように指示すれば、各社の愚かな分配金競争は意味がなくなる。