1995年の円米ドル為替は年初100円台で始まり、その後一気に円高が進行し80円を割り込むパニックになりました。その後、ジリジリと下値を切り上げて夏には90円台を、秋には100円大台を越えて年末には103円台まで回復しました。当時も現在のように、円安進行のピッチが早いと円安を警戒する見方が強く、円高への回帰を訴える声もありました。しかし、「いつか出るぞ」と注目された国内機関投資家の「円債売り・外債買い」の主立った動きはありませんでした。


 しかし翌年にドルは120円目前まで、さらに翌々年には130円をつける円安・ドル高へと一気に突き抜けていくと、それまで消極姿勢であった機関投資家が「最初から当然そうなると思っていた」という顔をして、外債を買いあさり、一大外債ブームとなりました。


 確かに株高・円安の障害になる材料はあります。しかしながら、こんなに底から日本株高が進み、円安が進んできたにもかかわらず、いまだに、国内の機関投資家は「持っているものを売るだけ」で終始し、ここ2,3年続いた金利低下の恩恵を受けて、ただ持っているだけで利益が出た国債のおかげで運用で恥をかかずにすんできました。


 しかし、これからのことを思うと気が重いでしょう。これ以上の金利低下は望めず、今までのようなラッキーな環境ではなく、むしろ金利の上昇がジリジリと進む中、国債で含み損を抱えるようになれば、否応なく、運用スタンスを見直さざるを得ません。どう考えても国内債券を減らして、それをどこに振り向けるかをどんな鈍感な先であっても検討せざるを得ません。


 売っていた人が買い方に回れば、売りがなくなり、買いしかなくなるので上昇に弾みがつきます。そういう意味では、国内機関投資家が株買い・円売りにスタンスが転換するまでは「日本株高・円安」期待は続きます。株高・円安のエンジンはいずれ国内機関投資家の動きで全開となる日が来るでしょう。

 まだ、その時ではないことが日本株高・円安を期待するよりどころです。


 その筆頭がGPIF(年金積立金運用管理独立行政法人)。ここでは私たちの年金資金のうち120兆円を運用しているそうです。買うなら、いくらでも良い買い場はあったはずなのに・・・